KVHは、同社が今年の3月14日から提供する、100ギガビットイーサネットネットワークサービス「KVH 100Gイーサネット専用線サービス」に、回線の両端に設置するルータとして、シスコシステムズの100Gbps対応ルータ「Cisco ASR9000シリーズ」をバンドルした「100Gネットワークアップグレードパッケージ」を8月7日より提供開始すると発表した。

「100Gネットワークアップグレードパッケージ」の内容

「KVH 100Gイーサネット専用線サービス」は、ポイント・トゥ・ポイントの100ギガビットイーサネットネットワークサービスで、データセンター、ネットワークセンター、研究開発センター、インターネットエクスチェンジ、病院、大企業のWAN環境など、2拠点間で大規模ネットワーク接続を必要とする顧客向けサービスで東京、大阪、神戸など主要な商業地域で提供されている。最大100Gbpsの帯域幅を保障し、標準クラス(デュアルアクセス)もしくはエコノミークラス(シングルアクセス)のどちらかのサービスを選択することで、2つの違った冗長性レベルを選択できる。

「100Gネットワークアップグレードパッケージ」は、「KVH 100Gイーサネット専用線サービス」に回線を終端する2台のCisco ASR9000(標準構成)をセットにした月額課金のイーサネットネットワークサービス。。Cisco ASR9000の標準構成には100GBase-SR アップリンク(1ポート)、最大24ポートまで拡張可能な10GBase-SRインタフェース(10ポート)が含まれており、レンタル期間は2年、3年、4年のいずれかを選択できる。

サービス利用例

KVH システム&テクノロジー本部 執行役員 濱田善之氏

KVH システム&テクノロジー本部 執行役員 濱田善之氏によれば、「KVH 100Gイーサネット専用線サービス」提供後、顧客からは、「ネットワークコストは安いが、ルータのコストが高いので、現状のままでは導入は困難」という声が聞かれたという。そこで、ルータとセットで、月額課金の本サービスを開始した。

濱田氏によれば、通常、100Gイーサを導入しようとすれば、ルータ購入費用として約9,000万円が必要で、そのほか月々の保守料と回線費用で500万円程度が必要だが、今回のサービスは、2年契約の場合、初期費用55万円、ルータと回線、保守費用を含め、月々775万円で提供される。

また同社では、サービス提供開始の特別キャンペーンを2014年3月31日まで実施。本キャンペーンを利用すれば、導入時の55万円の初期費用が不要になり、通常775万円の月額料金が500万円となる(2年契約の場合)。3年、4年契約の場合は、さらに割引になるという。

「100Gネットワークアップグレードパッケージ」を利用した場合の価格メリット

濱田氏は、「すでに1Gbpsや10Gbpsでは対応しきれないケースも出始めている。その場合、複数の回線を束ねて使用するリンクアグリケーションや自動的に最短のデータ伝送経路を選択するレイヤー2マルチパスを利用するなどするが、非常にむずかしい対応を迫られる。『100Gネットワークアップグレードパッケージ』を利用すれば、10Gイーサネット導入の際の初期費用をゼロにでき、ランニングコストも、自前による機器購入の場合よりコストを削減できる。また、リンクアグリケーションや負荷分散の管理の問題が解決する」と同パッケージのメリットを述べた。