日本気象協会はこのほど、巨大津波の早期検知システム構築のための基礎的なデータを取得する目的で、気圧のわずかな変化を検知できる精密な気圧観測を開始したことを発表した。

津波発生時は波源でわずかな気圧変動が生じ、その気圧の波は津波の特徴を保ったまま津波より速く伝わる。この気圧変動のデータを観測・解析することで、津波が到着する前に津波の大きさを従来より高精度で推定できるようになるという。

同協会はこの取り組みにおいて市教育委員会の協力を得ており、気圧観測は岩手県大船渡市内にある大船渡中学校 / 末崎中学校 / 綾里中学校の3校で実施される。

各中学校には、微気圧観測装置と観測データを送信するためのPC、およびインターネット通信網にアクセスするためのWi-Fiモバイルとルータが設置され、センターサーバーにリアルタイムでデータが集まる仕組みになっているとのこと。

精密気圧観測装置

同協会は今後、順次観測点を増やしていく考えで、将来的にはこの気圧観測ネットワークを日本全国に構築することを目指すとしている。