Mozillaは3月27日 (現地時間)、Epic Gamesと共にゲームエンジン「Unreal Engine 3」をWebに移植することを明らかにした。ネイティブアプリケーションのゲームに迫る性能のWebゲームを実現し、さらにモバイルにおけるWebゲームの可能性を広げようとしている。
MozillaはJavaScriptの処理速度の大幅な引き上げを目指して「asm.js」というサブセットを開発した。JavaScriptの動的な型付けを規則に基づいて推論しやすくするもので、asm.jsに最適化した「OdinMonkey」と呼ばれる新しいJavaScriptエンジンをナイトリービルドのFirefox 22に搭載する計画 (6月リリース予定)だ。開発者らの説明によると、asm.jsとOdionMonkeyの組み合わせのベンチマーク結果は従来のFirefoxやChromeよりも圧倒的に速く、ネイティブにコンパイルされたコードと比べても2倍程度の処理時間に収まっている。
Unreal Engine 3のWeb移植は、WebGL、Emscripten、そして新しいJavaScript最適化技術によって実現する。米サンフランシスコで開催中のGDC (Game Developers Conference) 2013の「Fast and Awesome HTML5 Games」において、27日にVladimir Vukicevic氏 (エンジニアリングディレクター)とAlon Zakai氏 (シニアリサーチャー)がasm.jsの詳細を説明しており、それに合わせて公表した形だ。すでに、EA (Electronic Arts)、Disney、ZeptoLabなどを含む大手ゲームメーカーと人気ゲームを最適化させる作業を進めているという。