日本オラクルは10月9日、オラクルのシン・クライアント基盤「Oracle Sun Ray」システムが、広島県廿日市市(はつかいちし)の出先機関を含む全庁規模で、職員の利用する既存のPCに代わる端末として採用・稼働開始したと発表した。

広島県廿日市市Webサイト

廿日市市では、約1,100人の職員の業務用端末としてPCを利用していた。多くのPCは長期間にわたって利用、老朽化。そのため、ハードディスク・ドライブの故障などが頻発し、市庁の情報システム部門である総務部情報推進に持ち込まれるPC修理件数は年間約240件に達していたという。

また、庁内のPCのOSやソフトウェアのバージョンは新旧が混在しており、職員の業務効率の低下や、管理・保守コストの増大を招いていた。PCの故障は職員の業務停止に直結するだけでなく、対応する情報推進課のほかの業務を中断させ、修理完了後のPCの再インストールにかかる時間や消失したファイルやデータの復旧にかかる費用など、コスト負担は年間で約900万円相当となり、老朽化したPCには起動に数十分要するものがあるなど、生産性の低下も招いていた。

同市では、こうした情報端末管理の課題を改善する手段として「Oracle Sun Ray」システムの採用を決定し、オラクルのx86サーバ「Sun Fire X4170 M2」でシン・クライアントのサーバ基盤を構築し、共有データの保存および複製によるバックアップ用途にユニファイド・ストレージ製品「Sun ZFS Storage 7320 Appliance」を導入した。

x86サーバ「Sun Fire X4170 M2」

ユニファイド・ストレージ製品「Sun ZFS Storage 7320 Appliance」

「Oracle Sun Ray」システムは、オラクルのシン・クライアント端末「Sun Ray 3」とWindows環境をサーバに統合・リモートで管理する「Windows Server Remote Desktop Services」を連携させるサーバ基盤「Sun Ray Software」で構成される。