日本電子(JEOL)は同社子会社のJEOL RESONANCEが、世界最高速・最小個体外径の「0.75mm 個体NMRプローブ」を開発したと発表した。NMRは(Nuclear Magnetic Resonance)の略で、原子核に磁場を中に入れて、核スピンの共鳴現象を観測すると、物質の分子構造を原子レベルで解析することができるもの。有機化合物や高分子材料の分析に適しており、製薬・バイオ・食品・化学といった分野で利用され、有機ELや電池フィルムなどの開発でも活用されている。

NMR装置全体の概観

個体NMRの測定では、試料管の回転が早くなると、信号のピークが高くなり、信号の感度が強くなる。また、2つのピークの間の分離が良くなることから分解能の高いデータが取得できるようになる。同製品では、110kHzで試料管を回転させることで、さらに高い分解能で試料を解析することを実現した。これにより、従来のNMRでは測定が困難だった微量の医薬品や天然物、薄膜材料の解析が可能になったと同社ではコメントしている。

なお、同製品は7月より受注を開始する予定。

外径0.75mm個体NMRプローブ用試料管。超伝導磁石内にプローブ(信号検出器)があり、試料をこの試料管に入れてプローブ内に挿入する