日本ユニシスグループ 社長年頭所感

2012年の年頭にあたり日本ユニシス社長 黒川 茂は、以下の年頭所感を発表しました。

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。 昨年中は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、東日本大震災やタイでの洪水などの自然災害からの復興、欧州ショックに端を発する金融不安や歴史的な円高など、企業を取り巻く環境は厳しい状況が続いていますが、一方で、市場環境の変化に伴うグローバル対応や、企業と消費者との接点強化、また社会基盤の再整備や環境対策の面からも、ICTの重要度はますます増しています。

しかしながら、当社の過去4年間の業績推移は、案件を厳しく選別したことによる受注機会損失や、お客様のビジネス変化への対応スピード不足など市場環境変化への対応が遅れたことにより年々大きく落ち込んでおり、厳しい事業環境の中で収益低迷傾向をくいとめ、当社を成長路線に戻すための体質改善が急務です。

そこで日本ユニシスグループの持続的な成長に向けた企業変革を実現すべく、昨年12月20日に、2012年度から3カ年の方向性と重点戦略を示す「中期経営計画(2012→2014)」を発表しました。

当社のビジネスの特性は、ICTに関わる全領域をカバーし、金融、官公庁、製造、流通、電力、サービス業など幅広い業種のお客様にサービス展開していることです。今後新たな事業機会が予想される中、こうしたビジネスで培った技術や経験・知財を強みとしサービス提供の対象領域を広げることで、ビジネスチャンスはあると考えています。

ただし、これまで手がけてきたSI(システムインテグレーション)やNI(ネットワークインテグレーション)、アウトソーシングなどの「コアビジネス(注1)」では強化すべき課題も多くあります。例えば、サービスを繋げることや、ソリューション強化、上流コンサル強化、グローバル化への対応力強化などです。

まずは既存事業領域である「コアビジネス」の強化、拡大に注力し、収益基盤の安定化を図ります。その上で、次の成長エンジンと見込む、お客様との「共同、共創ビジネス」や「BPO(注2)」などのビジネス機会を拡大します。さらに、拡大が予想される「社会基盤」領域にもチャレンジしていきます。

「中期経営計画(2012→2014)」のビジョンと目標は以下のとおりです。

■中期ビジョン:

ICTの最適化を実現できるNo.1パートナーとなる ICTを梃子にお客様に付加価値を提供できるパートナーとなる ICTを活用し社会基盤の提供に貢献できるパートナーとなる

■基本方針:

コアビジネスの拡大 共創/BPOビジネスモデルの確立 社会基盤ビジネスへの進出 このビジョンと基本方針にもとづいた事業戦略を確実に実行していくことで、今後3年でコアビジネス拡大による収益基盤安定化を行い、当社を安定的な成長軌道に戻します。さらに新事業の成長によって早期に売上高3000億円への回復を目指します。