日立製作所は10月20日、動画に対し、サイズの縮小などの不正コピーを行うと、再生時に事前に埋め込んだ画像が画面上に浮かび上がり、不正コピーをけん制する「電子透かし技術」を開発したと発表した。

同技術は、10月23日~26日まで、米国で開催される電子透かし技術のワークショップ IWDW 2011 (International Workshop on Digital-forensics and Watermarking) にて発表される予定。

従来の電子透かし技術では、再生時に電子透かしが画面上に現れず、警告文やロゴなどを動画に埋め込むと、再生時の画像を妨げるおそれがあった。これに対し、今回開発した技術は、通常の再生時は目立ちにくく不正コピー後に再生すると浮かび上がる潜像を動画に埋め込める。

加えて、今回開発した電子透かし技術は、動画のコピーで画質劣化を生じるエイリアシング効果を用いて、特定のサイズの縮小比率に反応して大きく画質劣化する潜像パターンを設計し、対象の動画コンテンツの絵柄に応じて潜像の強度を柔軟に設定できる。

動画電子透かしサンプル(左画面が潜像入り画像で、右画面がコピーによって潜像が現れた画像)