SAPの共同CEOのひとりであるJim Snabe氏。CEO就任からまもなく1年が経つが、順調に業績を伸ばしつつある

独SAPは1月13日(ドイツ時間)、2010年第4四半期(10月 - 12月期)および2010年通年の暫定業績報告書を発表した。2010年第4四半期、ソフトウェア事業の売上高が過去最高の約15億ユーロ(約1,652億円)を記録するなど、好調な結果を出した。

第4四半期、指標となるソフトウェアおよびソフトウェア関連事業ではIFRS(国際財務報告基準)ベースで約32億6,000万ユーロ(約3,590億円)を売り上げた。これは前年同期から27%の増加となる。ソフトウェア事業の売上高は約15億ユーロで前年同期比34%増、総売上高は約40億4,000万ユーロ(約4,450億円)で前年から27%増加した。

2010年通年では、ソフトウェア事業が前年比25%増の約32億6,000万ユーロ(約3,590億円)、ソフトウェアおよびソフトウェア関連サービス事業は同19%増の約97億8,000万ユーロ(約1兆770億円)となった。非IFRSベースでのソフトウェアおよびソフトウェア関連事業の売上高は前年比13%増で、これは同社が出していた見通しである9 - 11%増を上回った。

総売上高は、2009年の106億6,700万ユーロから約124億5,000万ユーロ(約1兆3,711億円)となり、17%増加した。純利益は非IFRSベースで39億ユーロ(約4,296億円)で、営業利益率は約31.5%。これは、前年の27.4%から約4ポイントのアップとなる。

SAPは2010年初めにCEOが交代、米国と欧州にCEOを置くという共同CEOの下でSybaseを買収し、モバイル、クラウド、インメモリ技術によるリアルタイム分析という新しい方向性を打ち出している。リーマンショック後の世界不況のあおりを受けて人員解雇を行った同社だが、業績は2010年に入り持ち直していた。

一方でSAPは、2010年11月にライバルOracleとの著作権侵害訴訟で13億ドルの支払いを命じられている。SAPによると、この出費を含んだ暫定レビューは完成していないが、IFRSベースでは営業利益に大きな影響を与えるだろうと警告している。