シマンテックは、バックアップ/リカバリやデータの重複排除機能を提供するNetBackupの新バージョンNetBackup6.5.4を発表した。

新バージョンでは、Windows プラットフォーム向け機能拡張、Hyper-Vへの対応など仮想化機能を強化した。

Windows プラットフォーム向け機能拡張では、Windows Server 2008のすべてのEditionに対応したほか、イメージバックアップにおいてもActive Directoryのオブジェクト単位での復元が可能になっている。

また、Office SharePoint Serverでは、文書だけでなく、カレンダー、サブサイト、リストなどの個別リカバリが可能になった。

NetBackup6.5.4によるWindows プラットフォーム向け機能拡張

仮想化の強化では、Hyper-Vへ正式対応を行い、同じイメージバックでVM全体のほか、個別ファイル単位でのリカバリも行えるようになった。また、VMwareの環境においては、DISK単位のスナップショットのバックアップがサポートされた。

NetBackup6.5.4でHyper-Vへ正式対応

NetBackup6.5.4ではHyper-VとVMwareのバックアップ未実行のサーバが色分けで表示

NetBackupのHyper-VとVMware対応状況

そのほか、今年の後半にリリースされる予定の重複排除機能を提供するPureDisk6.6では、仮想化環境に特化したより精度の高い重複排除機能がサポートされる予定だという。

また、NetBackupの次のメジャーバージョンアップである7.0では、VMwareのvSphere vStorage APIに対応し、VCB Proxy Serverを使わないバックアップが実現されるという。

そして、今年の後半には、Backup Exec 2010がリリースされる予定だが、このバージョンでは、クライアント側での重複排除、メディアサーバ側での重複排除がサポートされるほか、他社製の重複排除アプライアンスをNetBackup側で管理することが可能になるという。対応メーカーは今のところ、EMC、Quantum、FalconStor、Data Domainの4社となっており、ほかに交渉中のメーカーがあるという。

クライアント側での重複排除、メディアサーバ側での重複排除は、NetBackup7.0でもサポートされる予定だ。

米シマンテック 情報管理グループ担当 シニア バイス プレジデントディーパック モーハン氏

米シマンテック 情報管理グループ担当 シニア バイス プレジデントディーパック モーハン氏によれば、バックアップにおいては、データ量やストレージコストを削減する重複排除機能が非常に重要だという。

同氏は、シマンテックが提供している重複排除機能「PureDisk」の優位性について、「最近のデータ重複排除は多くの場合アプライアンスで実現されているが、このソリューションでは、サーバのデータをアプライアンスに複製する必要がある。しかし、シマンテックのソリューションでは、よりソースに近いサーバにおいてこの機能を実装できる。アプライアンスを使ったバックアップでは、リモートオフィスのデータをネットワークを通して大量にやりとりしなければならいが、シマンテックのソリューションあれば、リモートオフィス内で重複排除を実行し、ネットワークでのやり取りはより少ないデータ量で完結させることがきる」と述べた。

また、WindowsやUNIX、仮想化環境など、さまざまな環境のおけるバック重複管理を1つのプラットフォーム実現できるソリューション提供しているのは、シマンテックのみだと強調した。

そして、「ユーザーは仮想化を展開しているが、そういうユーザーにストレージコストを削減するための重複排除機能を提供するのは大きなチャンスだ」と語った。