パソコンの12月実績は、台数ベースで23.4%増、金額ベースで8.4%減となった。8月以降、台数ベースでは20%台の成長率を維持している。躍進の原動力となっているのはネットブックと呼ばれるミニノート(10.2インチ以下のディスプレイを搭載したノートPC)だ。

台数別構成比では、12月実績でノートPCが80.7%と、8割を突破しており、ノートPCのうち、ミニノートは25.6%とノートPC市場全体の4分の1を占めている。

森英二アナリスト

ミニノートの躍進は、平均単価の下落にも影響している。前年12月には12万8000円だったパソコンの平均単価は、12月には9万5000円まで下落している。「ミニノートの平均単価は4万6900円となっており、価格下落が本格化している。さらに、この価格下落には、A4ノートPCの成長が止まったこともあげられ、A4ノートの価格下落も止まらない」(森英二アナリスト)とした。

A4ノートPCの平均単価は、前年12月には19万6000円だったものが、16万2500円に下落。B5ノートも12万3000円から10万5600円に下落している。

ミニノートにおける画面サイズ別構成比は、10-10.2インチが41.4%に拡大する一方、7インチは8.9%に縮小。8.9インチは49.3%となった。7インチモデルの平均単価は3万4500円まで下落。10-10.2インチも5万5000円と、5万円割れ直前まで下落している。

ノートパソコンの販売台数・金額の伸び率(前年同期比)と平均単価(出典:BCN)

また、ミニノートにおけるオフィス搭載モデルの比率が増加。オフィス搭載モデルの比率はStarSuiteで28.8%、マイクロソフトオフィスで8.6%と上昇傾向にある。マイクロソフトオフィス搭載のミニノートの平均単価は9月には9万7700円だったものが、12月には5万6800円と大幅に下落している。

さらに、ミニノートにおけるメモリおよびハードディスクの大容量化も進展。1GBのメモリを搭載したミニノートの構成比は90.6%に、160GBハードディスクを搭載したミニノートの構成比は54.0%に達した。

12月におけるノートPCのメーカー別シェアでは、NECが18.8%、東芝が17.8%、富士通が14.1%、ソニーが12.2%と国産勢が続く。ミニノートPCで躍進しているASUSが9.7%、日本エイサーが9.0%と、それぞれ5位、6位に入った。

また、ミニノートのメーカー別シェアではASUSが38.2%と首位。続いて日本エイサーの29.5%が2強。3位には、ソーテックブランドで展開するオンキヨーが6.7%、4位は日本HPが6.2%、5位には工人舎の4.4%となった。

2008年12月のノートメーカー別台数シェア(左)、ミニノートメーカー別台数シェア(右)平均単価(出典:BCN)