デジタルカメラは、12月実績で台数ベースが前年同月比6.2%減、金額ベースでは18.2%減と大幅な落ち込みとなった。とくにコンパクトデジカメの落ち込みが大きく、台数ベースで10.9%減、金額ベースでは22.3%減となった。コンパクトデジカメの平均単価は2万3300円と、前年12月の2万6800円から13%も下落している。

また、画素数別構成比では、1000-1200万画素未満が59.4%となり、800-1000万画素未満は28.4%に縮小している。800万未満はわずか5.9%となった。

デジタルカメラの販売台数・金額の伸び率(前年同期比)と平均単価(出典:BCN)

一方で、デジタル一眼レフカメラの市場台数構成比は、12.8%と初めて1割を突破。12月実績では台数ベースで45.8%増と大幅な成長を見せた。だが、金額ベースでは7.0%減と前年割れとなり、11月に続き、2カ月連続の前年割れとなった。「モデルチェンジか近いエントリーモデルの価格下落や、パナソニックのG1など、普及価格帯の新たな一眼レフが増加したことが、金額での前年割れにつながっている。6万円台、7万円台の領域は、従来は高機能コンパクトデジカメの領域だったが、この領域に一眼レフカメラが進出している」(道越アナリスト)と分析した。

画素数別の構成比は、1000万画素未満が構成比を拡大して26.8%、1000-1200万画素未満は逆に縮小し27.1%。1200-1400万画素未満が33.8%、1400-1600万画素未満が9.1%、1600万画素以上が3.2%となった。「1600万画素以上のモデルは、一気に低価格化する傾向が出ているが、高級モデルは高性能化の道があり、コンパクトデジカメが用途提案に活路が見いだせないのに比べて状況が異なる」とした。

コンパクト(青)と一眼(赤)の価格別構成比。左が2007年12月で右が2008年12月(出典:BCN)

コンパクトデジカメのメーカー別シェアでは、12月実績でキヤノンが22.1%とトップシェア。続いてカシオの14.0%、ソニーの13.9%、富士フイルムの12.9%という順になった。一時トップシェアを獲得していたパナソニックは減速して11.4%と5位になった。

また、一眼レフカメラのシェアは、1位には41.7%を獲得したニコンとなり、2位にはわずか0.1ポイント差の41.6%となったキヤノンが入った。この2強に続く3位にはソニーが入り、5.3%。4位は、一眼レフ市場に本格参入したパナソニックの4.7%となった。