米comScoreは、今年8月における世界の月間検索エンジン利用事情を調査した最新レポートの発表を行った。Googleの圧倒的なシェアが目立つ中で、アジア各国のローカル検索エンジンの健闘ぶりも明らかになっている。

同レポートは、検索サービスを提供する世界のトップ企業50社からの情報をベースにして、15歳以上のインターネットユーザーを対象に利用実態を調査する、同社の「qSearch 2.0」サービスのデータに基づくとされる。自宅および職場のPCからのインターネット利用者が対象となり、携帯電話を始めとする各種モバイル機器からの利用などは含まれていないようだ。

調査結果によれば、今年8月中に世界で検索エンジンを利用したのは、インターネットユーザー全体の95%に上る7億5,445万9,000人。月間検索利用回数の総合計は、世界で約610億3,600万回に達しており、1人当たりの月間平均利用回数は80.9回を数えたという。

地域別に見て、世界で最も検索エンジンの利用者が多かったのは、ユニークユーザー数が約2億5,795万2,000人となるアジア太平洋地域。中国、日本、インドなどの検索利用大国が目立つとされ、月間検索利用回数の合計は約202億9,500万回と、全世界の3分の1を占めるに至ったとされる。2位以下には、ユニークユーザー数が約2億967万8,000人の欧州、同約2億627万8,000人の北米が続いている。

検索サービス別に見るならば、世界で最も多くの月間検索利用を記録したのはGoogle。全検索回数の実に60.8%に上る、約370億9,400万回の検索利用数を獲得したとされる。なお、この中には、約50億回に上るYouTubeでの検索も含まれるようだ。2位のYahoo!の月間検索利用回数は約85億4,900万とされており、世界的な検索市場においては、すでにGoogleがYahoo!を大きく引き離した形だ。3位以下は、百度(Baidu)、Microsoft、NHN、eBay、Time Warner Network、Ask Networkの順に続いている。

同社インターナショナルマーケット調査部門を率いるBob Ivins氏は、GoogleとYahoo!が世界の検索市場で大きなシェアを占める中で、中国市場で圧倒的な強さを誇る百度、韓国最大手のポータルサイト「Naver」を運営するNHNが、世界の検索エンジンランキングでトップ5に入ってきた点に注目。同氏は「世界的な観点からだけでなく、地域に密着した観点からもマーケティングチャンスを捉える上で、今後も検索エンジンが提供する重要な役割に着目する必要がある」とコメントした。