独SAPは7月3日、ライバル米Oracleが起こした訴訟に対し回答し、子会社のTomorrowNowにおいて不適切なダウンロードがあった事実を認めた。だが、SAP本体はOracleの知的所有権にアクセスしていないという。同社は同日、米司法省に書類を提出したほか、TomorrowNowの組織変更などを発表した。

これは、Oracleが今年3月22日に起こした訴訟への回答となる。Oracleは当時、TomorrowNowが自社のソフトウェアコードなどを不正に入手したと訴えており、6月にはこの訴えに著作権侵害、契約違反などの申し立てを加えていた。TomorrowNowは、Oracleが買収したPeopleSoftのサポートを提供する企業で、SAPは2005年に同社を買収し、子会社として運営している。

SAPのCEO、Henning Kagermann氏は同日、Oracleの申し立てについて、「TomorrowNowで、パッチやサポートに関するドキュメントについて不適切なダウンロードが行われていた」と事実を認めた。だが、SAPとTomorrowNowの間はファイアウォールで遮断されており、SAPおよびSAP AmericaはTomorrowNow経由でOracleの知的所有権にアクセスしていない、と強調している。Kagermann氏は今回の件を「残念に思う」と述べ、TomorrowNowの組織変更などにより今後このようなことを防ぐ意思を明らかにしている。

SAPはTomorrowNowとOracleの訴訟に関するWebサイトを開設し、情報を公開していくという。