• われらバックアップを選ぶとき

現在のWindows 11には、バックアップ機能が複数ある。これまでのWindowsが採用してきたバックアップ機能が互換性のため、まだ残っている。表01は、Windows 11にあるバックアップ機能の一覧である。

  • ■表01

    ■表01

バックアップといえば、過去には、ハードディスクのパーティションイメージを保存し、これを書き戻すというのが一般的だった。いちいちファイルアクセスするよりも、対象ドライブや保存先ドライブを最大効率で動作させられるため、バックアップ時間を最適化できたからだ。

しかし、時代が進み、ハードディスク容量が増えてくると、大容量の保存先が必要となり、バックアップが困難になってきた。

Windows 8では、Windows自体の再インストールが簡単に行えるようになった。ハードディスクに余裕があるなら、回復パーティションを作成することが可能で、ここにWindowsのイメージを記録できた。

また、Windows 10からは、「メディア作成ツール」を使い、Windowsのインストール用メディアを簡単に作成可能になった。

こうしたことから、バックアップにシステム部分を含める必要がなくなった。それに伴いバックアップは、ユーザーが行ったシステム設定やユーザーデータ、アプリケーションに対象が映っていった。

バックアップは単独のプログラムでまとめて行うのではなく、対象別にプログラム(Windowsの機能)が分かれていく。

システムが起動しない場合に回復環境を起動させる「システムイメージの作成」、システム設定などを以前の状態に戻す「復元ポイント」などは、バックアップの1種ではあるが、どちらかというと、トラブル対策的な機能といえる。

アプリケーションに関しては、Microsoftストア経由でインストールを行ったものは、再インストール後に自動的に復元が行われる。ただし、従来のMicrosoftインストーラーを使った、クラッシックアプリに関しては、ユーザーが手動で再インストールを行う必要がある。

この作業も従来は、面倒なものだったが、wingetを使うことで、インストールされているプログラムの一覧を取得でき、これを元に再インストール(ただし、wingetリポジトリでインストール可能なもの)が行える。もちろん、トラブルが起こる前にプログラムの一覧は取得しておく必要があるが、CLIプログラムであり、タスクスケジューラーなどで簡単に定期的な実行が行える。

「ファイル履歴」は、ユーザーデータを履歴付きで保存する機能だ。複数ドライブを使って、冗長性を向上させる「記憶域」などと組み合わせることで、データを安全に保存できる。

現在マイクロソフトが推奨しているのは、Windows 11になってから搭載された「Windowsバックアップ」だ。これは、データの保存先にクラウド(OneDrive)を使うもの。ユーザーデータは、Windowsが予め用意している「ドキュメント」などのKnownフォルダが対象となる。

機能としては、OneDriveの同期フォルダにあるファイルと同じで、クラウド側とローカル側が同期していて、変更がすぐにOneDrive側に反映されるため、万一の場合でも、最新の状態に近いデータを得ることが可能だ。上記Knownフォルダと異なるのは、業務用のOfficeサブスクリプション契約でなければ、OneDrive同期フォルダにフォルダを置くか、そうでないかだけである。

Windowsバックアップは、Windowsのシステム設定の一部も保存可能になっている。具体的に何がバックアップされるのかは、以下に解説がある。

・Windows バックアップ設定カタログ
https://support.microsoft.com/ja-jp/windows/experience/backup-recovery/windows-backup-settings-catalog

Windowsバックアップは、有効にすれば、自動的にバックアップ処理が行われ、再インストール後などに、保存していたバックアップを戻すかどうかを聞いてくる。このため、一回有効にしておけば、ユーザーはほとんど考えることなく、バックアップ機能を利用できる。

今回のタイトルネタは、ロジャー・ゼラズニーの「われら顔を選ぶとき」(早川書房。Zelazny Roger, Today We Choose Faces, 1973.)である。クローン技術と記憶の転送により、不死を達成するというネタは、本書あたりから。