• 宇宙の果てのメニュー

Windows 11になって、コンテキストメニューの構造が変わり、コンテキストメニューのトップレベルに項目を登録するには、新規にメニューのためのソフトウェア(COMコンポーネント)を開発しなければならなくなった。これまで、コンテキストメニューへの登録は、自由に行われており、簡易には、レジストリへの登録だけで、メニュー項目を追加できた。

このため、コンテキストメニューは、放置状態で、たしかに整理は必要だった。しかし、Windows 11が要求するCOMコンポーネント開発は、レジストリ登録と比較すると、高い技術力が必要で、それなりの工数を必要とした。このため、ソフトウェアメーカーも、従来の簡易な方法でコンテキストメニューを開発する場合が多数見受けられた。

Windows 11では、「開く」「コピー」、「貼り付け」といったWindowsが提供するシステム項目と、Windows 11用に開発されたメニュー項目(以下区別のためCOMメニュー項目と記述する)を、コンテキストメニューのトップレベル項目として表示する。従来の方法で登録されたメニュー(同レジストリメニュー項目)は、「その他のオプションを確認」というメニュー項目でメニューのページを切り替えて表示する。このため、レジストリメニュー項目は、2ページ目に置かれ、トップレベルは、新しいアプリのCOMメニュー項目だけになるはずだった。しかし、対応したアプリはごく一部であったため、ユーザーは、レジストリメニュー項目を使うための手数が増えてしまった。

ただし、抜け道もあって、「Shift+Appキー」を使うことで、2ページ目を最初から表示させることができる。Appキーは、Menuキーとも呼ばれ、コンテキストメニューを表示させる機能を持つ。

コンテキストメニューの改革が進まないことを受けて、Microsoftは、さらに新しいコンテキストメニューを開発した(これを新コンテキストメニューと呼ぶ)。予定では、26H2に含まれ、すでにプレビューが行われている。大きな改良点の1つは、トップレベルメニューのカスタマイズを可能にしたこと。Windows 10までのコンテキストメニューに近づける設定が可能になっている。たとえば、Windows 10までは、「プロパティ」は、コンテキストメニューの最下段にあったが、Windows 11では、メニューの中程に移動したため、これまでの操作に慣れてきたユーザーは、項目を見失うことがある。もちろん、慣れればいいのだが、初期状態では、迷ってしまい、「面倒だ」、「分かりづらい」という印象が拭えない。

新コンテキストメニュー(写真01)では、これまで、メニュー上部にアイコンで表示されていた「プライマリーアクション」(コピー、切り取り、貼り付けなど)を、Windows 10と同じく、メニュー項目として表示させることもできる(写真02)。こうした設定は、設定 ⇒ 個人用設定 ⇒ Context menuで行う(写真03)

  • 写真01: プレビュー中の新しいコンテキストメニュー。プライマリアクションがアイコンとして表示されているが、様々な項目がトップレベルに表示されている。また、プロパティが最下行にある

    写真01: プレビュー中の新しいコンテキストメニュー。プライマリアクションがアイコンとして表示されているが、様々な項目がトップレベルに表示されている。また、プロパティが最下行にある

  • 写真02: プライマリアクションをインライン表示させた。見た目は、Windows 10までのコンテキストメニューに似ている

    写真02: プライマリアクションをインライン表示させた。見た目は、Windows 10までのコンテキストメニューに似ている

  • 写真03: 設定ページでは、過去に存在した「Send To」や「Print」などの表示のオンオフが行える。また、App Extensionsでは、アプリが登録した項目の表示をオンオフできる。メモ帳やOneDriveは、アプリ登録のコンテキストメニューである

    写真03: 設定ページでは、過去に存在した「Send To」や「Print」などの表示のオンオフが行える。また、App Extensionsでは、アプリが登録した項目の表示をオンオフできる。メモ帳やOneDriveは、アプリ登録のコンテキストメニューである

Windows 11 Ver.26H2のプレビュー版では、設定 ⇒ Windows Update ⇒ Windows Insider program ⇒ 機能フラグ ⇒ Improved Context Menuを有効にすることで、新コンテキストメニューに切り替えられる。

今回のタイトルネタは、アダムスの「宇宙の果てのレストラン」(新潮文庫。原題The Restaurant at the End of the Universe, Douglas Adams, 1980)である。「銀河ヒッチハイク・ガイド」の続編で「宇宙クリケット大戦争」と合わせて3部作をなす。なんとなく笑いがモンティ・パイソンに似てると思ったら、まったくの無関係ではないようだ。シニカルで突き放したような英国コメディに耐性がないとキツいかも。