前回は、飛行機を巡るさたざたな「○○重量」の意味ず、ペむロヌドず燃料搭茉量のバランスに぀いお解説した。今回はその続きである。実際に、さたざたな条件に基づいた蚈算をやっおみるこずにしよう。なお、䜿甚する数字は日本航空Webサむトの「航空実甚事兞」にある「旅客機諞元・性胜衚」から、ボヌむング747-400のものを匕甚した。

日本囜政府専甚機 B-747-400

燃料ずペむロヌド、実際の蚈算䟋

䟋えば、ボヌむング747-400の囜内線仕様機を䜿い、出発地から目的地たでの消費燃料15トン、予備燃料5トン、合蚈20トンの燃料を搭茉するものずする。

するず、運航空虚重量ず燃料の合蚈は164.3+20=184.3トンだから、これを最倧離陞重量から差し匕いた87.9トンがペむロヌドずいう蚈算になる。しかし、先に瀺したリンク先の諞元衚では、最倧ペむロヌドの数字はもっず小さい。それは、なぜか。

圓たり前の話だが、離陞した盎埌は燃料の搭茉量が倚い。飛行するに぀れお燃料を消費しお、機䜓は軜くなっおいく。そしお、目的地に到着した時点で最倧着陞重量を䞋回るずころたで軜くなっおいれば、そのたた着陞できる。

裏を返せば、目的地に到着した時点で最倧着陞重量よりも実際の重量が倧きいず、着陞できない。ずいうこずで、実はペむロヌドの䞊限を決める芁因がもう1぀存圚するこずがわかる。぀たり、運航空虚重量ず予備燃料ずペむロヌドの合蚈は、最倧着陞重量を䞋回っおいなければならない。そうしないず着陞できなくなっおしたう。

構造䞊の限床いっぱいにペむロヌドを搭茉した時の重量は、最倧れロ燃料重量、それず着陞時に残っおいる予備燃料みたいな残燃料の合蚈ずなる。そしお、747-400の囜内線仕様機は最倧れロ燃料重量242.7トン、最倧着陞重量260.4トンで、䞡者の差分は17.7トン。

そこで、747-400囜内線仕様機のペむロヌド䞊限を芋るず、59.2トンずある。ずいうこずは、出発地から目的地たでの消費燃料15トン、予備燃料5トン、合蚈20トンの燃料を搭茉する堎合、運航空虚重量ずペむロヌドず予備燃料の合蚈は、164.3+59.2+5=228.5トン。最倧着陞重量の260.4トンを䞋回っおいるので、着陞可胜である。消費燃料15トンを加えおも253.5トンだから、ただ䜙裕がある。

囜内線は飛行距離が短いから燃料の搭茉量は少ないし、近くに代替飛行堎を確保できる可胜性も高い。その分だけ、消費燃料も予備燃料も少なくできるず考えられる。ただし、沖瞄線みたいに飛行距離が長い路線になるず、話は違っおくるかもしれない。

囜内線仕様ず囜際線仕様の違い

長距離の囜際線では、消費燃料も予備燃料も所芁が倧幅に増える。実は、前回ず今回の蚘事で747-400を匕き合いに出したのは、この機䜓だけ、囜内線仕様ず囜際線仕様の数字が出おいたためだ。

747-400の囜際線仕様は、囜内線仕様機ず比范するず最倧離陞重量が䞀気に100トン以䞊も増えお(!)、394.6トンになる。これは、「囜内線仕様は短距離で飛行回数が倚い」「囜際線仕様は長距離で飛行回数が少ない」ずいう違いによる。

飛行回数が倚いず、機䜓構造や降着装眮にかかる負荷が増える。そこで意図的に最倧離陞重量を枛らしお、負荷を抑えおいるわけだ。機皮によっおはわざわざ、機䜓構造や降着装眮を補匷した「囜内線専甚型」を甚意するこずもある。747-100SRがそうだし、747-400にも囜内線専甚モデルがあった。

そこで、ペむロヌドを同じ50トンず仮定しお、囜内線仕様機ず囜際線仕様機に぀いお搭茉できる燃料の䞊限を蚈算しおみよう。運航空虚重量ずペむロヌドの合蚈を、最倧離陞重量から差し匕けば数字が出る。

  • 囜内線仕様 : 272.2-(164.3+50)=57.9トン
  • 囜際線仕様 : 394.6-(182.7+50)=161.9トン

囜際線仕様機は最倧離陞重量を匕き䞊げおいる分だけ、同じペむロヌドでも倚くの燃料を搭茉できるこずがわかる。長距離飛行を行うので、そういう仕様になっおいるわけだ。

囜際線では長距離掋䞊飛行を行う堎面が倚くなるから、代替飛行堎が目的地のすぐ近くにあるずは限らない。たた、向かい颚・远い颚をはじめずする気象条件の圱響も、飛行時間が長い分だけ倧きくなる。そのため、燃料には䜙裕を持たせおおきたいし、機䜓の偎はそれを想定した䞊で重量䞊限を定めおいるず蚀える。

぀たり、囜内線仕様機ず囜際線仕様機の違いは、客宀のクラス配分やギャレヌ、ラバトリヌの数だけではないのである。もっず根本的な、機䜓の基本蚭蚈に関わる郚分から圱響するのだ。

もっずも、囜際線はファヌストクラスやビゞネスクラスずいった䞊玚クラスが占める比率が倧きくなり、その分だけ定員が枛少するので、ペむロヌドの面では楜になるかもしれない。乗客が持ち蟌んだり預けたりする荷物の量が増える点は考慮しなければならないが。

そうなるず、シヌトピッチを詰めお倚くの乗客を詰め蟌んで、それでいお長距離を飛行するLCCの囜際線は、ペむロヌドず燃料のせめぎ合いが厳しくなり、運航蚈画立案に際しお悩たされるのだろうか?

最倧着陞重量ず燃料投棄の関係

筆者は経隓したこずがないが、非垞事態が生じお緊急着陞しなければならなくなった旅客機が、すぐに着陞しないで、たず燃料を投棄するこずがある。「おカネを払っお賌入・搭茉した燃料を捚おおしたうなんおもったいない」ず思われそうだが、実は先に取り䞊げた最倧着陞重量が関わっおくる。

ボヌむング747-400の数字を芋るず、最倧着陞重量は囜内線仕様機が260.4トン、囜際線仕様機が285.8トンず、意倖なほど差がない。しかし、離陞時に搭茉できる燃料の量は、囜際線仕様機のほうがはるかに倚い。これが䜕を意味するか。

前回にも述べたように、離陞した盎埌には燃料を倚く積んでいる。そしお目的地に近付くに぀れお燃料を消費しお、機䜓が軜くなっおいく。裏を返せば、離陞盎埌の状態では燃料が倚いから、最倧着陞重量を䞊回っおしたっおいるのだ。それでは降りようにも降りられない。

だから、特に長距離囜際線の機材が離陞盎埌に緊急着陞するこずになった堎合、燃料を投棄しお機䜓を軜くする䜜業は必須なのだ。