都市伝説から生まれたA24の話題作『バックルームズ』(公開中 配給:ハピネットファントム・スタジオ)の撮影舞台裏を明かす特別映像が公開となった。
『バックルームズ』は、都市伝説とされていた空間"Backrooms"を舞台としたホラー映画。「ある日突然 "現実世界の裏側"へ外れ落ちてしまったら……?」 どこまでも続く⻩色い壁紙の部屋、終わりのない廊下。不自然な間取りと、意味を失い床に埋まった設置物。わずかに現実からズレている――そんな出口のない"リミナルスペース"で、観客は"最高密度の不安と恐怖"を体験することになる。
日本での公開を迎えた本作は、初週末3日間で2.47億をたたき出し、独立系では『Michael/マイケル』に次ぐ大ヒットスタートとなった。劇場側からも「小中高の学生の来場が増えている」とコメントがあり、6日に行われたケイン・パーソンズへのティーチインイベント時は、日本の小学生がケイン監督に英語で質問を投げかける姿もあった。こうした親子での来場や、中高生のグループ鑑賞、Z世代である20代の若者が、友人同士、やカップルで来場する姿が目立つ。また、ベテラン声優陣が集結した吹き替え版への来場も多く、鑑賞者の49%を占める結果となった。普段は洋画をあまり観ない若者の間でも、<インターネット発のカルチャーを、イベントとして体験したい>という熱が高まり、全米公開時と同様、"バックルームズ現象"が日本でも巻き起こっている。
この度公開となったのは、ケイン・パーソンズ監督のリアリティへの徹底したこだわりを紐解く特別解説映像。ヴァーチャルではなく広大なセットを組み立て、そこで俳優たちが実際に演技をすることにこだわり続けた監督だが、映像の冒頭「立ち会えただけで感動したよ」と特別な思い入れを語るのは、バックルームズに迷い込んだメアリー(レナーテ・レインスヴェ)が<何か>から逃げ惑うシーン。撮影が行われたのは、なんと実際に存在する住宅街の一角だという。CGで一から作り上げた架空の街ではなく、実際の"車庫"を使って撮影、そこへ美術部が「ドアや窓やフェンス、郵便受けや芝生を足したんだ」と、細部に至るまで手を加えていったという。
その狙いは、リアルな住宅街を再現することだけではなく「観客が見た目や尺度に違和感を覚えるように」すること。誰もが見覚えのある日常的な風景に、微妙なズレや違和感を忍ばせることで、"普通に見えるのに、どこかおかしい"空間を作り上げていき、監督はこの空間を「郊外のバイオーム」とも表現。さらに、そこに"室内にいる"ような感覚を与えるため、撮影中のセットにも劇中全編を通して使用されているものと同じタイプの照明器具を使い、空間そのものを照らしていたという。
そして映像では、実際に撮影したセットをさらにVFXで拡張していることにも言及。実在する空間をベースに、従来のセット拡張の手法を用いて世界を広げながら、ファンの色味にまでこだわるなど、徹底してディテールを追い込んでいった。
VFXで非現実的な世界を作り出すのではなく、あくまで"実際に存在するような空間"を作り上げるためにVFXを用いる。「VFXの拡張の目的はそこにある」パーソンズ監督が語るように、その徹底したリアリティへの執念こそが、本作ならではの恐怖を生み出したことを明かしている。
■ストーリー
ある日、自らの店の地下から異次元へと迷い込んでしまった男・クラーク(キウェテル・イジョフォー)。ルールすら存在しない不条理な世界で、彼は怪異に直面していく。 なぜ、この空間は存在するのか。そして、ここで一体何が起きているのか――。
■出演者(役名:俳優名)
クラーク:キウェテル・イジョフォー
メアリー:レナーテ・レインスヴェ
フィル:マーク・デュプラス
ボビー:フィン・ベネット
■スタッフ
監督:ケイン・パーソンズ
脚本:ウィル・スーディク
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