LGのノートPC「gram」シリーズは、その名前にも表れているようになんといっても軽さが魅力の製品だ。しかもただ軽いだけでなく、性能が高く駆動時間も長いため、ビジネスモバイルユーザーからの支持も強い。
そのgramシリーズの最新モデルのひとつ「LG gram Pro 16」は、16型と大型のディスプレイを搭載しながら、16型ノートPCの常識を覆す軽さを実現する点が大きな特徴だ。今回は、LG gram Pro 16の魅力に迫ってみたい。
高い処理能力を必要とする作業も快適な充実スペック
まずはじめに、LG gram Pro 16の主な仕様を確認しよう。
プロセッサは、Intelの最新プロセッサ「Core Ultra シリーズ3」に属するCore Ultra X7 358Hを採用している。Core Ultra シリーズ3の中でも上位に位置付けられるプロセッサで、CPUコアはPコア4基、Eコア8基、LP Eコア4基を搭載し、16コア16スレッド処理に対応。内蔵GPUもXeコア12基のIntel Arc B390 GPUを採用と、CPU、GPUともに非常に優れたパフォーマンスを発揮する。このあたりは後ほどベンチマークテストでチェックするが、ハイエンド用途にも十分対応する性能を備えていると言っていいだろう。
この高性能プロセッサを最大限活用できるよう、メモリは標準でLPDDR5x-8533を32GBと十分な容量を搭載。内蔵ストレージも標準512GBと必要十分で、基本スペックに死角はない。
Core Ultra シリーズ3ということで、当然NPUも内蔵。NPUの処理能力は50TOPSと、MicrosoftのCopilot+ PCの基準も問題なくクリア。当然Copilot+ PC準拠となっており、各種AI処理をローカルで高速に処理できる。今やビジネスシーンでPCのAI対応は不可欠となっており、その点でも安心だ。
- プロセッサー:Core Ultra X7 358H(16コア16スレッド/ブースト時4.8GHz)
- メモリ:LPDDR5x-8533 32GB
- ストレージ:512GB PCIe SSD
- OS:Windows 11 Home 64bit
- ディスプレイ:16型有機EL、2,880×1,800ドット
- 無線機能:Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)、Bluetooth 6.0
- 生体認証:顔認証
- インターフェイス:Thunderbolt 4×2、USB 3.2 Gen1 Type-A×2、HDMI、3.5mmオーディオジャック
- サイズ/重量:357.7×251.6×12.4mm/約1,199g
この優れたスペックを、薄型軽量ボディに凝縮。本体サイズは、16型と大型のディスプレイを搭載していることもあって、フットプリントこそ357.7×251.6mmとやや大きいが、高さは12.4mmと非常に薄い。
そして、驚かされるのが軽さで、重量はわずか1199gしかない。14型モバイルノートでもこれより重い製品が存在していることを考えると、驚異的な軽さと言える。実際に手にしてみても、フットプリントの大きさに反する軽さに驚かされる。
そのうえで、堅牢性も申し分ない。ボディ素材にアルミニウムとマグネシウムを組み合わせた新素材「Aerominum」を採用することで、これだけの薄型軽量ボディながら米国国防総省調達基準「MIL-STD 810H」で定められている7項目の堅牢性試験をクリア。だからといって乱暴に扱えるわけではないが、軽量本格モバイルPCとして申し分なく活躍できるだろう。
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16型ディスプレイ搭載ながら、モバイル用途にも十分対応できる驚きの薄型軽量ボディを実現している
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正面。高さはわずか12.4mmしかなく、非常に薄い
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左側面
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背面
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右側面
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天板。フットプリントは357.7×251.6mm。新素材「Aerominum」を採用し、薄さ、軽さと優れた堅牢性を両立
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実測の重量は1196.5gだった
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1.2kgを切る軽さで、16型のPCながら片手でも軽々持てるのは驚きだ
16型有機ELディスプレイは映像のプロも納得の高品質
ディスプレイは、WQXGA+(2,880×1,800ドット)、リフレッシュレート最大120Hz表示に対応する16型有機ELパネルを採用している。一般的なモバイルノートPCに搭載される14型ディスプレイよりも高解像度だが、パネルサイズが大きいこともあり、等倍表示でも文字の視認性が大きく低下しない点は嬉しい。もちろん、高解像度表示によって一度に表示できる情報量が増え、作業効率を高められるという点でもありがたい。
そして発色性能という点でも、さすが有機ELという印象。一般的な液晶パネルと比べて発色の鮮やかさは圧倒的だ。またコントラスト比の高さも有機ELらしい特徴。これなら写真のレタッチや動画編集なども、本来の色をしっかり確認しながら行えるため、プロの映像クリエイターも納得できるはずだ。
もう1点、個人的に魅力と感じたのが、パネル表面が非光沢処理となっている点。光沢処理のほうが、発色などの鮮やかさが増すのは間違いないが、そこは有機ELの特性もあり、非光沢処理でも申し分ない発色性能が保たれている。そのうえで外光の映り込みが少ないため、文字入力作業も快適に行える。まさにオールラウンドに活躍できるディスプレイと言えるだろう。
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WQXGA+(2,880×1,800ドット)、リフレッシュレート最大120Hz表示に対応する16型有機ELパネルを採用。表面が非光沢処理で外光の映り込みが気にならない点もありがたい
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有機ELらしい優れた発色と高コントラストで、プロの映像クリエイターも納得の表示性能を備えている
キーボードの配列が一部独特な点は気になる
キーボードは日本語仕様ではあるが、標準的なJIS配列ではなく、英語キーボードをベースとして日本語化したものとなっている。標準でテンキーを搭載し、数字入力の多いビジネス作業時にはテンキーが大いに役立つ。
主要キーのキーピッチは19.05×18.5mmとわずかに横長だが、縦の狭さはわずかで、全く違和感なくタイピングできる。ストロークは約1mmと、一般的なPCと比べるとかなり浅い。ただ、比較的硬めのタッチと、しっかりとしたクリック感があり、実際にタイピングした印象では数字ほど浅いという印象はない。また、打鍵音は比較的静かで、よほど強くタイピングしない限りうるさいと感じることはなく、静かな場所でのタイピングも安心だ。
ただ、標準的なJIS配列ではないという点がどうしても気になる。例えば、スペースキー左右に[無変換][変換]がない、[Enter]キーが横長、[Enter]キー付近のキー配置が標準と異なる、といった違いが見られる。
このあたりはコストダウンの影響と考えられるが、日本語キーボード搭載という仕様で販売するPCとしては残念と言わざるを得ず、この点は早急な改善を期待したい。ポインティングデバイスはクリックボタン一体型のタッチパッドを搭載し、サイズが大きく操作しやすい。
優れたAI処理能力で将来性も安心
先にも紹介しているようにLG gram Pro 16は、プロセッサに高性能NPUを内蔵するCore Ultra X7 358Hを採用し、Copilot+ PCに準拠している。これによってCopilot+ PCで利用できる「リコール」や「ライブキャプション」、「コクリエイター」、「Windowsスタジオエフェクト」などの各種AI機能が利用できるのはもちろん、NPUを活用したAI機能を搭載する各種アプリが利用できる。
NPUの搭載は、AI処理を高速に行えるだけでなく、処理を消費電力の大きいCPUから電力効率に優れるNPUにオフロードすることで、AI性能を高めつつシステム全体の消費電力を低減できるというメリットもある。特にモバイルPCにとって消費電力は駆動時間に直結するため、性能を高めつつ駆動時間も長くできることに繋がる。これは非常に大きなメリットだ。
実際のAI処理能力をベンチマークテストで検証してみたが、NPUで処理を行うことで圧倒的なスコアが確認できた。これなら、NPUを活用する各種AIアプリも快適に利用できるはずだ。
すでにビジネスシーンでもAIは欠かせないツールとなっている。それだけに、クライアントPCでもAI処理能力が今後ますます求められるようになっていく。確かにNPUがなくともAI処理は可能だが、業務効率を高め、より快適に作業をこなせるという意味でも、NPUの存在は今後より重視されるようになるだろう。その点、高性能NPU内蔵プロセッサ搭載のLG gram Pro 16なら、将来性も不安がないと言える。
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ProcyonのAI Computer Vision Benchmarkをプロセッサ内蔵NPUで実行した結果。非常に優れたスコアが得られている
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同じテストをプロセッサのCPUで実行したところ、NPUの1/10ほどのスコアだった。この結果からもNPUの優れたAI処理能力がよくわかる
AI以外の処理能力も申し分なし
では、その他のベンチマークテストの結果も紹介しよう。PCの総合的なパフォーマンスを計測する「PCMark 10」は、スコアが9985だった。これはプロ向けワークステーションに匹敵するようなスコアで、総合的なパフォーマンスも非常に優れていることがわかる。
また、プロセッサの直接的な処理能力を計測する「CINEBENCH 2026」も高スコアが得られている。このあたりは、Core Ultra シリーズ3の中でも上位モデルらしい結果と言っていいだろう。
また、LG gram Pro 16の内蔵ストレージはPCIe Gen5 SSDを採用しており、高速なアクセス速度が発揮される点も特徴。実際に「CrystalDiskMark」で速度を計測したところ、シーケンシャルリードが12845MB/sと12GB/s越えを記録した。シーケンシャルライトも6796MB/sと高速。アプリの起動が高速になるのはもちろん、4K/8K動画データのような大容量データを扱う場面でも大いに活躍してくれるはずだ。
内蔵GPUの性能も優れており、「3DMark」の各種テストも高スコアを記録した。ゲーミングPCに匹敵とまではいかないが、AAAタイトルも十分プレイ可能なレベルで、この点も魅力的だ。
最後に駆動時間だ。こちらはPCMark 10に用意されているバッテリーテスト「PCMark 10 Battery Profile」の「Modern Office」を利用し、ディスプレイ輝度50%、キーボードバックライトオフの状態で検証してみたところ、14時間11分を記録した。
そもそもボディは非常に薄く軽い上に、ディスプレイに高解像度でサイズの大きい有機ELを採用している時点で駆動時間はかなり不利だが、それでも14時間を超える駆動時間は驚異的。丸1日外出して利用する場合でも電源不要で十分活躍してくれるだろう。
モバイルもカバーする高性能ビジネスPCとしてお勧め
今回見てきたようにLG gram Pro 16は、このクラスとしては頭ひとつ抜けた性能を備えるだけでなく、16型PCとは思えないほどの薄型軽量ボディと長時間駆動も実現し、デスクワークだけでなくモバイルも十分カバーできるPCに仕上がっている。キーボードの配列はかなり残念だが、その点を差し引いたとしても十分な魅力を備える製品と感じる。
直販価格は349,800円とやや高価だが、これからのビジネスシーンで不可欠なAIへの対応も申し分なく、長期間活躍してくれることを考えると、そのコストをかける価値は十分あると言っていいだろう。AI対応だけでなく、性能面やモバイル性に妥協しないPCを探している人にお勧めしたい。










