ASUS JAPANから4月8日に発売された新型ノートPC「ZenBook SORA 16」の実機をお借りできたので、レビューをお送りします。2025年に日本市場向けとして新ブランドとして登場したZenBook SORAシリーズの2026年モデルであり、シリーズとして初の16インチモデル。すみずみまでチェックしていきます。

  • ASUS「ZenBook SORA 16」レビュー、学生向けから大きくジャンプアップしたSnapdragon X2 Elite ExtremeノートPC

    ASUS「ZenBook SORA 16」レビュー、学生向けから大きくジャンプアップしたSnapdragon X2 Elite ExtremeノートPC

ZenBook SORA 16の仕様をチェック

今回お借りしたZenBook SORA 16はメーカー型番では「UX3607OA」です。 CPUにはQualcommの最新プロセッサ「Snapdragon X2 Elite Extreme X2E-94-100」を搭載し、メインメモリも48GB、SSDも1TBと、ノートPCとしてはかなりのハイエンド構成です。

  • 国内では初のQualcomm Snapdragon X2 Elite Extreme搭載PCです

    国内では初のQualcomm Snapdragon X2 Elite Extreme搭載PCです

  • 全部で18コア(6 Pコア+12 Eコア)と高性能なCPUです

    全部で18コア(6 Pコア+12 Eコア)と高性能なCPUです

なお本稿執筆時点で「Snapdragon X2 Elite Extreme X2E-94-100」を搭載するPCで、日本市場で販売されているのはZenBook SORA 16のみであり、ARMプロセッサを搭載するWindows PCとして、現状最も高性能なモデルでもあります。

  • セラルミナムを採用した独特のマットな質感は新モデルでも健在です

    セラルミナムを採用した独特のマットな質感は新モデルでも健在です

  • 16インチの大画面モデルですが、ディスプレイベゼルも狭く開いた姿もスマート

    16インチの大画面モデルですが、ディスプレイベゼルも狭く開いた姿もスマート

製品名に「16」とある通り、ZenBook SORAシリーズとしては初の16インチの大画面ディスプレイを搭載しています。ディスプレイは発色が鮮やかな有機ELで、解像度も2,880×1,800ピクセルと高解像度です。

高性能プロセッサに大画面ディスプレイという組み合わせながら、本体重量は約1.2kgと軽量なのもZenBook SORA 16の特徴です。70Whの大容量バッテリーも搭載し、動画再生であれば最大22時間の長時間駆動を謳っています。

本体カラーは日本市場でニーズが高いとされる「ザブリスキーベージュ」。本体素材にはASUS独自のセラルミナムを採用していて、特徴的なさらっとした手触りです。

外部接続端子は本体左右にあり、右側にはUSB Type-AとフルサイズのSDカードスロットがあります。左側にはHDMI出力とUSB Type-Cが2つ、3.5mmのステレオイヤホン・マイク端子が設けられています。充電はUSB Type-Cを利用します。

  • 本体右側には最近にしては珍しい、フルサイズのSDカードスロットがあります

    本体右側には最近にしては珍しい、フルサイズのSDカードスロットがあります

  • 左側にはUSB Type-Cポートが2つ、HDMIポートもあるので拡張性は高め

    左側にはUSB Type-Cポートが2つ、HDMIポートもあるので拡張性は高め

キーボードは約19mmのキーピッチのフルサイズ仕様。Enterキーや右Shiftキーのあたりは少々窮屈ですが、誤タイプするほどではありません。そして画面サイズが大きいことで本体サイズに余裕があるため、トラックパッドも大きく、2本指や3本指でのジェスチャー操作も快適に行うことができます。

  • フルサイズのキーボードと大型のトラックパッドを搭載、操作性は良好です

    フルサイズのキーボードと大型のトラックパッドを搭載、操作性は良好です

  • キーボードは薄型筐体の割にキーストロークも十分あります

    キーボードは薄型筐体の割にキーストロークも十分あります

付属するACアダプタは最大130W出力とノートPC向けとしては高出力なタイプです。電源コードは取り外し可能ですが、ACアダプタとセットにするとそれなりに大きさもあるので、持ち運ぶ場合にはコードを短いものに取り換えたり、サードパーティ製の適当なUSB PD対応ACアダプタを用意するとよさそうです。

ZenBook SORA 16のパフォーマンスをチェック

ここからはZenBook SORA 16の性能を、各種ベンチマークソフトを使用しチェックしていきます。先にも書いた通り、ZenBook SORA 16に搭載されるQualcommの最新プロセッサ「Snapdragon X2 Elite Extreme X2E-94-100」は国内で他に採用製品がなく、PC向けのSnapdragon Xシリーズとしては「最上位SKU」として登場した背景も含め、その性能が気になっているという人は多いでしょう。

ベンチマーク結果には比較用に、先代のZenBook SORAのスコアを掲載しています。またベンチマークはWindowsの電源設定で「バランス」を選択し、それ以外のパフォーマンスに係わる設定については特に変更は行っていません。

まずはPCの基本操作性能をチェックできる「PCMark10」から、テストソフトの対応状況もあり「Application」を実行、テストしました。テスト実行中に動作が重たくなるようなこともなく、テスト結果は先代よりも約20%高いスコアを示すなど、新型CPUの性能を余すことなく発揮できているといえます。

  • PCMark10

    PCMark10

続いてゲーム性能のチェックとして「ファイナルファンタジー14 黄金のレガシー ベンチマーク」を、ディスプレイ解像度をフルHD、ウインドウモードをフルスクリーン、画質は「最高画質」と「標準品質(ノートPC)」で実行しました。

  • FF14

    FF14

Qualcomm製のCPUは内蔵グラフィックス機能こそ高いものの、ゲーム側がQualcomm製のCPU・グラフィックス機能に正式に対応しないものが多く、実性能に対してゲームのパフォーマンスが出ない、ベンチマークであれば低くスコアが出てしまいます。

ですがZenBook SORA 16ではゲーミングノートPCを除く、筆者が過去に試用したノートPCの中では最も高いスコアを示し、標準品質(ノートPC)の設定では「快適」とも評価されました。

ZenBook SORA 16はクリエイター向けPCとしても十分活用できた

2月に行われたZenBook SORA 16の発表会では、ZenBook SORAを「ビジネスやクリエイティブの現場でも利用してほしい」と言及する場面もありました。

筆者自身、持ち運びのノートPCは長らく12~14インチのディスプレイを搭載したモデルを選んでいますし、15インチ以上の大画面モデルは性能が高くても重量が重たかったり、バッテリー稼働時間が短いなど、持ち運びに適さない製品の方が多いのです。

ただ、ZenBook SORA 16は16インチと大型のディスプレイを搭載しながら重量は約1.2kgと軽いため、持ち運びにも適しています。ディスプレイは発色の豊かな有機ELで、解像度も非常に高いとなれば、基本性能の高さもあいまって「写真や動画の編集も、持ち運んでどこでも行える」と期待してしまいます。

そこで実際にZenBook SORA 16を外に持ち出し、筆者が取材と趣味で使っているカメラの写真を取り込み、現像・編集作業を行ってみました。 ZenBook SORA 16にはフルサイズのSDカードスロットがあるのでカメラからのデータ取り込みをスムーズに行うことができます。

  • 本体も軽くバッテリーも持ち、パワーもあるので高画素カメラで撮影した写真を外でそのまま編集するようなワークフローにも向いています

    本体も軽くバッテリーも持ち、パワーもあるので高画素カメラで撮影した写真を外でそのまま編集するようなワークフローにも向いています

  • 光沢なので映り込みは気になりますが、解像度が高く発色も鮮やかなのでクリエイティブ作業に向いています

    光沢なので映り込みは気になりますが、解像度が高く発色も鮮やかなのでクリエイティブ作業に向いています

もしSDカードでないメモリーカードを使うカメラだった場合でも、これもUSB Type-Cポートと繋げば高速に取り込みができるので、カメラとの親和性はかなり高いと感じました。

またディスプレイの鮮やかさや明るさ、解像度の高さは写真の編集に向いています。屋外でもディスプレイが明るいことで見えづらいといったことも少なく、屋外で撮影した写真を、即大きな画面で確認、編集といった作業に進むのにも向いています。

さらに1枚あたり100メガバイトを超える写真データを、まとめて数十枚書き出す速度も速く、バッテリーもなかなか減らないので半日以上、外で撮影のお供に使うこともできました。

モバイルでもメインでも、ZenBook SORA 16は万能に使えるノートPC

2025年のZenBook SORAの発表時、日本市場向けのモデルと位置づけながら主なターゲットは大学生など、ライトユースでの持ち歩きが想定されていました。

これに対しZenBook SORA 16は単なる大画面モデルのラインナップ追加に見えますが、実際に使用してみると高性能と軽量、バッテリー駆動時間の3点を共存させ、発表会でもあったようなビジネス、クリエイティブといった従来のZenBook SORAが活躍しきれなかった場面でも通用するノートPCとして完成しています。

また、SnapdragonシリーズなどARMアーキテクチャのCPUを搭載したWindows PCではソフトウェアの互換性に課題がある印象がありますが、Copilot+PCとして同シリーズのCPUが搭載されたWindows PCが一挙に発表されてから約2年が経過した現在、互換性の問題はかなり解消されています。

筆者の使用範囲でも、日本語入力のATOKや、Adobeの写真・動画編集ソフトが問題なく動作するようになり、古いフリーソフトを除けば普段使いのPCとして常用できると感じました。

スタイリッシュな見た目に対し、中身はモバイルワークステーション級の性能を持つZenBook SORA 16は、すべてに妥協していない完成度の高いノートPCといえるでしょう。

  • モバイルでもメインでも、ZenBook SORA 16は万能に使えるノートPC

    モバイルでもメインでも、ZenBook SORA 16は万能に使えるノートPC