• Dell Pro 5 14(P514260)

    Dell Pro 5 14(P514260)

Dell Pro 5 14は、デルがコマーシャル向けラインを刷新した「Dell Pro」シリーズの14型モデルです。最新のインテル Core Ultra シリーズ3(Panther Lake)プロセッサと新世代の内蔵GPU「Intel Arc B390」を搭載したCopilot+ PCで、メモリには交換可能なLPCAMM2、ストレージにはPCIe 5.0対応SSDを採用します。有線LANやSIMスロットまで備え、堅牢性やセキュリティ、修理のしやすさといったビジネス用途で活きる要素をしっかり押さえた一台です。

グローバルでは2026年6月に投入されており、CPUやディスプレイ、メモリ容量などを選んで構成できます。今回はCore Ultra X7 368H vPro、64GBメモリ、1TB SSDという上位寄りの構成をお借りしたので、レビューしていきます。

有線LANも積んだ、質実剛健なビジネス筐体

まずはDell Pro 5 14の外観をチェックしていきましょう。

本体カラーは落ち着いたダークグレーで、天面の中央にデルのロゴを配置したシンプルなデザインです。トップカバーやパームレスト、底面にアルミニウムを使っており、価格帯なりの上質感があります。派手さはありませんが、そのぶん会議室でも外出先でも浮かない、ビジネスシーンに素直に馴染む佇まいです。再生アルミニウムなどのリサイクル素材を採用している点も、環境配慮が求められる法人向けらしいポイントです。

  • 天面中央にデルのロゴを配置。落ち着いたダークグレーの筐体

    天面中央にデルのロゴを配置。落ち着いたダークグレーの筐体

  • トップカバーはアルミニウム製。指紋は比較的目立ちにくい

    トップカバーはアルミニウム製。指紋は比較的目立ちにくい

  • 本体を開いたところ。天面と操作面で色味をそろえた落ち着いたデザイン

    本体を開いたところ。天面と操作面で色味をそろえた落ち着いたデザイン

米国国防総省のMIL-STD 810H準拠のテストもクリアしており、持ち運びの多い働き方でも安心して扱えます。底面には大きな吸気口を備え、放熱にも配慮した設計です。

  • 底面。大きな吸気口とスピーカーグリルが見える

    底面。大きな吸気口とスピーカーグリルが見える

本体サイズは幅315.5×奥行226×高さ10.8〜19.1mm。重量は実測で1471.5gでした。14型で約1.4kgという重量は、最近増えている1kg前後の軽量モバイルと比べるとやや重さを感じます。ただ、持ち歩きが無理な重さではなく、この後で触れる有線LANやSIMスロット、大容量バッテリーまで詰め込んだ構成を思えば納得できる範囲です。軽さを最優先した薄型モバイルとは方向性が異なり、拡張性や堅牢性まで含めて1台で完結させたい人に向く重量バランスです。

  • 実測重量は1471.5g

    実測重量は1471.5g

ディスプレイは14.0型・解像度1920×1200ドット(WUXGA)のIPS液晶です。アスペクト比は16:10で、ドキュメントやWebページを縦に広く表示でき、リフレッシュレートは最大120Hz、輝度は400nitとビジネス用途には十分なスペックです。ノングレア(非光沢)仕上げのため、照明や窓の映り込みが抑えられ、オフィスや外出先のカフェなど環境光が変わりやすい場所でも見やすいのは実務向けの美点です。光沢パネルの有機ELのような目立ち方はせず、発色は自然で色みもきれいに感じられ、非光沢とあわせて長時間のドキュメント作業でも目が疲れにくい印象でした。

  • 14型 WUXGA(1920×1200)のIPS液晶。120Hz・ノングレア仕様

    14型 WUXGA(1920×1200)のIPS液晶。120Hz・ノングレア仕様

キーボードはJIS配列で、キーボードバックライトを搭載します。Copilotキーも備えており、Copilot+ PCらしい構成です。キーストロークはしっかりとした打ち心地で、長文入力でも安定してタイプできます。US配列ベースの製品にありがちなエンターキー周辺の窮屈さがなく、素直なJIS配列にまとまっているのは、日本語で文章を打つ機会が多いビジネスユーザーにとって嬉しいポイントです。タッチパッドは大型で、ジェスチャー操作もスムーズにこなせました。

生体認証は、電源ボタン兼指紋認証センサーと顔認証の両対応です。電源ボタンを兼ねる指紋認証センサーは、最上段の右端、Deleteキーの隣という角の位置に置かれています。軽く触れた程度では反応しないので、タイピング中に間違って押してしまうことはまずありませんが、指がよく行き来する一角だけに、キーの列から少し離して配置してくれるとより扱いやすかったと感じます。IRカメラによる顔認証と合わせれば、Windows Helloのサインインはシーンに応じて使い分けられます。

  • JIS配列キーボード。最上段右端、Deleteキーの隣に電源ボタン兼指紋認証センサーを配置する

    JIS配列キーボード。最上段右端、Deleteキーの隣に電源ボタン兼指紋認証センサーを配置する

  • キーボードバックライトを点灯したところ。暗い環境でも文字がしっかり読み取れる

    キーボードバックライトを点灯したところ。暗い環境でも文字がしっかり読み取れる

インターフェースが充実しているのも本機の見どころです。左側面にThunderbolt 4(USB Type-C)×2、USB Type-A×1、HDMI 2.1を、右側面にSIMスロット、3.5mmヘッドセットジャック、USB Type-A×1、有線LAN(RJ-45)、セキュリティロックスロットを配置します。

薄型ノートでは省かれがちな有線LANポートを残しているのは、安定した接続が求められるオフィスや会議室ではありがたい仕様です。USB Type-Aも左右に1基ずつ用意されているので、USBメモリやマウスといった有線機器を変換アダプターなしで直接つなげます。Thunderbolt 4は2基ともUSB PDと映像出力に対応します。モバイル通信(WWAN)は構成オプションで、4G/5G対応を選ぶとピンで取り出せる専用のSIMトレイが付き、外出先でも5G/LTE回線が使えます。

今回の貸出機はWi-Fi構成だったため、SIMスロット部分はSIMを装着できないダミースロットとなっていました。それでも有線・無線ともに選択肢が広く、外出先でも社内でも、別途ハブを持ち歩かずに済む拡張性です。

  • 左側面。HDMI 2.1、USB Type-A、Thunderbolt 4(USB Type-C)×2

    左側面。HDMI 2.1、USB Type-A、Thunderbolt 4(USB Type-C)×2

  • 右側面。SIMスロット(WWAN構成時)、3.5mmヘッドセットジャック、USB Type-A、有線LAN(RJ-45)、セキュリティロックスロット

    右側面。SIMスロット(WWAN構成時)、3.5mmヘッドセットジャック、USB Type-A、有線LAN(RJ-45)、セキュリティロックスロット

ワイヤレスはWi-Fi 7とBluetooth 6.0に対応。Webカメラは上部ベゼルにIRカメラを搭載し、Windows Helloの顔認証に対応します。物理式のプライバシーシャッターも備えており、カメラを使わないときは物理的にレンズをふさげるので、オンライン会議が多い人でも安心です。

  • IRカメラを搭載し顔認証に対応。物理式プライバシーシャッターでレンズを開閉できる(上:開いた状態、下:閉じた状態)

    IRカメラを搭載し顔認証に対応。物理式プライバシーシャッターでレンズを開閉できる(上:開いた状態、下:閉じた状態)

付属のACアダプターは65W出力のUSB Type-Cタイプです。電源ケーブル込みの実測重量は319gと、小型・軽量ではありません。本体はUSB PD対応なので、携帯性を高めたいのであれば市販のUSB-C充電器やモバイルバッテリーを組み合わせてもよいでしょう。

  • 付属の65W USB Type-C ACアダプター。実測重量は319g

    付属の65W USB Type-C ACアダプター。実測重量は319g

ベンチマークで性能を検証

ベンチマークソフトを使って、Dell Pro 5 14の性能をチェックしていきます。

今回デルから借り受けたサンプルの構成は以下のとおりです。

  • OS:Windows 11 Pro
  • CPU:インテル Core Ultra X7 368H vPro(Panther Lake、4P+8E+4LP/16コア16スレッド、最大5.0GHz)
  • メモリ:64GB LPDDR5X-8533(LPCAMM2、デュアルチャネル)
  • ストレージ:1TB PCIe 5.0 x4 NVMe SSD
  • グラフィックス:Intel Arc B390(CPU内蔵、Xe3アーキテクチャ、12 Xeコア/1,536シェーダー)
  • NPU:最大50 TOPS
  • バッテリー:70Wh

本機のCore Ultra シリーズ3は、インテルが「Core Ultraシリーズ3(Panther Lake)」と呼ぶ最新世代です。世代の変わり目にあたり、CPUのコア構成が刷新されただけでなく、内蔵GPUもXe3世代の「Intel Arc B390」へと入れ替わりました。AI処理向けのNPUは最大50 TOPSに達し、Copilot+ PCの要件も満たしています。

本機のメモリはオンボードではなく、交換可能な「LPCAMM2」モジュールを採用しているのが特徴です。従来のLPDDR5Xと同等の速度と省電力性を保ちつつ、モジュール式なので将来的なメモリの増設や交換に道が残されています。基板直付けが主流のこのクラスで換装の余地があるのは、長く使う法人利用では効いてくるポイントです。

なお、検証にあたってはWindowsの電源モードを「最適なパフォーマンス」に、Dell Optimizerの温度管理を「ウルトラパフォーマンス」に設定しています。

  • CPU-Z

    CPU-Z

  • GPU-Z

    GPU-Z

  • CINEBENCH R23/2024/2026の結果

    CINEBENCH R23/2024/2026の結果

まずはCPUの性能をCINEBENCH R23/2024/2026で確認しました。Core Ultra X7 368Hは16コア構成で、シングルスレッドの軽快さを保ちながら、マルチスレッドでも薄型ノートらしからぬ粘りを見せます。写真の一括書き出しや動画の変換、ちょっとしたビルド作業など、一時的に負荷が集中する処理を短い時間で片づけられる地力があります。Panther Lakeはコアを増やして重い処理での余力を広げており、その優位さはスコアにもはっきり表れています。

  • PCMark 10の結果

    PCMark 10の結果

総合ベンチマークのPCMark 10でも、スコアは全体的に高く、事務系の処理を測る項目とクリエイティブ系の項目がそろって伸びました。文書作成や表計算が中心の使い方はもちろん、写真の補正や短い動画の編集くらいまでなら、このクラスで困る場面はまずないでしょう。実際、たくさんのタブを開いたまま資料をまとめ、その裏で別のアプリを走らせても、動作が詰まる感覚はありませんでした。

グラフィックス性能も見ておきましょう。内蔵GPUのIntel Arc B390について、3DMarkに加えて、実際のゲームを使った「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」のベンチマークも走らせています。

  • 3DMarkの結果(Fire Strike/Time Spy/Port Royal/Steel Nomad Light)

    3DMarkの結果(Fire Strike/Time Spy/Port Royal/Steel Nomad Light)

3DMarkのスコアは、内蔵GPUとしては上位に位置する水準でした。少し前の入門向け単体GPUと肩を並べる場面もあり、Xe3世代で描画性能が一段引き上げられたことがうかがえます。レイトレーシングを扱うPort Royalまで完走できており、内蔵グラフィックスがカバーできる範囲は着実に広がっています。GPUを使う動画編集やAI系のアプリでも、内蔵だからと身構える必要は薄れてきました。

  • ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク

    ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク

  • FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク

    FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク

実ゲームでの挙動は、FF14とFF15のベンチマークで確かめました。どちらもフルHDであれば、画質を欲張りすぎなければ快適に動く水準です。もちろん本機はゲーミングノートではないので、最新の重量級タイトルを高画質で長く遊ぶ用途には向きません。ただ、仕事の合間に軽くゲームを挟んだり、3D表示をともなう業務アプリを動かしたりするぶんには、力不足を感じる場面は少ないでしょう。

  • CrystalDiskInfo。Micron製の1TB NVMe SSDを搭載する

    CrystalDiskInfo。Micron製の1TB NVMe SSDを搭載する

  • CrystalDiskMarkの結果

    CrystalDiskMarkの結果

ストレージはMicron製の1TB SSDで、PCIe 5.0接続に対応します。CrystalDiskMarkの読み書き速度は、一世代前のPCIe 4.0のSSDをはっきり上回りました。数GB規模のファイルをやり取りしても待ち時間はごくわずかで、素材の受け渡しやバックアップの頻度が高い人ほど恩恵を感じられます。さらに本機のSSDは自己暗号化(SED)に対応しており、端末を外へ持ち出す業務でも、データ保護の面で安心して使えます。

Dell Optimizerでチューニングと管理を完結

Dell Pro 5 14には、電源や温度管理をまとめて制御できる独自ソフト「Dell Optimizer」がプリインストールされています。

  • Dell Optimizer。電源やバッテリー、温度管理の状態をまとめて確認できる

    Dell Optimizer。電源やバッテリー、温度管理の状態をまとめて確認できる

温度管理は「最適化」「冷却」「静音」「ウルトラパフォーマンス」の4モードから選べ、作業内容に合わせてファンの動作と性能のバランスをワンタップで切り替えられます。会議中は静音、レンダリングなど負荷のかかる作業ではウルトラパフォーマンス、といった使い分けができるので、業務中の細かなチューニングがスムーズです。ベンチマークのような高負荷をかけるとファンはしっかりと回りますが、そのような重い処理でなければ通常の業務中は比較的静かで、動作音が気になる場面は多くありませんでした。

バッテリー面では、使い方に合わせて充電の仕方を自動で切り替える「ダイナミック充電」や、残量が少なくなると各所の消費電力を抑えて駆動時間を延ばす「インテリジェント バッテリー エクステンダー」も用意されています。バッテリーの状態や充電スピードもDell Optimizerから確認でき、法人の資産管理やヘルプデスク運用ともかみ合う作りです。vPro対応のCore Ultraを搭載しているため、リモートでの管理やセキュリティ機能も活用しやすくなっています。

約20時間の余裕あるバッテリー駆動時間

ビジネスノートPCで気になるのがバッテリー駆動時間です。電源モードを「バランス」、画面輝度を50%に設定したうえで、PCMark 10 Battery(Modern Office)で計測したところ、20時間という結果を記録しました。

  • PCMark 10 Battery(Modern Office)の結果は20時間

    PCMark 10 Battery(Modern Office)の結果は20時間

Panther Lake世代の省電力性に、70Whという容量の大きさが噛み合った結果でしょう。この持ちなら、日中の外出でバッテリー残量を気にする場面はほとんどなく、1泊程度の出張であれば充電器を置いていっても不安は小さいはずです。Web会議や資料づくりを挟んでも一日は問題なく使える計算で、席を離れて働くことが多い人ほど恩恵は大きく感じられます。USB PD対応なので、充電が必要になっても手持ちのUSB-C充電器やモバイルバッテリーで間に合わせられます。

拡張性も堅牢性も妥協しない、正統派のビジネスノート

  • 拡張性も堅牢性も妥協しない、正統派のビジネスノート

    拡張性も堅牢性も妥協しない、正統派のビジネスノート

デル「Dell Pro 5 14」は、最新のCore Ultra シリーズ3(Panther Lake)を軸に、内蔵GPUのIntel Arc B390、交換できるLPCAMM2メモリ、PCIe 5.0対応SSDまでを備えたビジネスノートです。

今回のベンチマークでは、CPU・GPU・ストレージのいずれも前世代からしっかり底上げされていることがわかりました。そこへ約20時間というバッテリーの持ちが加わり、14型のビジネスノートとしては死角の少ない仕上がりになっています。

本機の魅力は、性能もさることながら、有線LANやSIMスロットを含む豊富なポート、MIL-STD 810H準拠の堅牢性、交換可能なメモリ、vProやSED対応といったセキュリティ・管理機能まで、ビジネスで求められる要素を幅広く押さえている点にあります。軽さを最優先したモバイルではないぶん重量は控えめとは言えませんが、その重さは拡張性と堅牢性の裏返しでもあります。

「1台で社内も外出先もこなしたい」「長く使うので拡張性や修理のしやすさも重視したい」「セキュリティや資産管理まで含めて任せられるビジネスノートが欲しい」という人には、有力な選択肢となる一台です。

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