MM総研は8月25日、国内の小中学校の児童・生徒とその保護者を対象に実施したGIGAスクール構想に関する意識調査の結果を公開した。

  • 端末配布と利用の状況(回答者は児童・生徒)

    端末配布と利用の状況(回答者は児童・生徒)

この結果は、2021年8月時点での児童・生徒1万人とその保護者1万人、合計2万人から得た回答から、GIGAスクール構想を受けて2020年度から急速に配備が進んだ「児童・生徒1人1台端末」構想やクラウド活用などの現状を分析したもの。

児童・生徒に対し学校での端末配布と利用状況について尋ねたところ、「配られており、利用している」という回答が63%となった。文部科学省は2021年3月末で9割以上の教育委員会が端末納品を終えていると回答しており、短期間のうちに利用開始している実態が明らかとなった。

小中学校での1人1台端末をはじめとするICT環境の活用について、保護者の89%、児童・生徒の88%が端末活用に「賛成」と回答した。賛成理由として「将来的に必要とされる一般的なITスキルを習得させたい」「プログラミング等高度なITスキルを習得させたい」などが上位に挙がった。

  • 学校教育における端末やクラウドなどICT活用の賛否

    学校教育における端末やクラウドなどICT活用の賛否

現時点の端末利用シーンは「授業での利用」が57%と最多。端末の利用頻度については「毎日授業で利用している」と回答した児童・生徒は12%、「1週間に2~3回程度」との回答が27%と最も多かった。一方、 自宅などへの「持ち帰り学習」実施率は28%、課外活動などの活用は13%に留まった。

児童・生徒の利用頻度と活用意向を分析すると、「利用頻度が高い」ことと「端末活用意向」に関係があり、端末利用頻度の高い小中学生ほどデジタル学習の楽しさを実感していることがわかった。

  • シーン別の利用有無・頻度(回答者は児童・生徒)

    シーン別の利用有無・頻度(回答者は児童・生徒)

端末を利用したい理由については、授業では「楽しい」、持ち帰り学習では「調べる」がそれぞれトップとなった。キーワードの文脈を見ると、授業に対しては「面白い」「わかる」や「集中できる」などの回答がみられた。パソコンは「キーボードタイピングが面白い」「操作が楽しい」「これからの時代に必要」などの意見がみられた。また、持ち帰り学習では「ゲーム感覚の学習」が4位となった。

MM総研は、教育現場はOS事業者が提供する教員研修などを通じて、デジタルへの理解やスキル向上とともに活用事例を共有していくことが大切であり、結果としてこれらが技術革新を通じた教育改革の大きな推進力となるとしている。