6月実証実験時のコーナー(東急ハンズ)

NTTデータは10月14日、東急ハンズの協力のもと、オペレーターの動きと連動するアバターを介して遠隔から商品を提案するデジタルストアの実証実験を開始すると発表した。

両社が6月に実施した1店舗での検証から、今回は3都市5店舗に規模を拡大、専用端末なしで遠隔接客できるように進化させ、2020年10月16日から12月15日まで実施する予定だ。

  • 実証実験のイメージ

同実証実験で利用する遠隔接客ソリューション(UsideU提供のの「TimeRep」)は、ウェブブラウザ上で接客操作を実施できるため、必要なアプリケーションがインストールされた専用の機器が不要。これにより、本社オフィス・店舗のバックヤード、自宅などさまざまな遠隔地にいるスタッフが、普段利用しているパソコン・タブレット端末などから接客を行うことができる。

また、同実証実験では、東急ハンズ渋谷店、新宿店、池袋店、梅田店、博多店の5拠店にアバター特設ブースを設営し、実験開始最初の1カ月は美容やコスメに詳しい専門のスタッフ、2カ月目は実演販売「ヒント・ショー」専任チームが、顧客の要望(商品の使用用途や肌悩み、贈る相手、予算など)を伺い、おすすめの商品や贈り物を案内する接客業務を実施するという。

  • アバターイメージ

  • 6月実証実験時の案内画面(アバター)

さらに、接客シーン(ビューティ、実演販売)に合わせて、専用のアバターをデザインしたといい、利用客がより接しやすく、接客コミュニケーションもしやすいシーン作りを行うとしている。必要に応じてアバターではなく接客員の実画像にも切り替えられる機能も追加されている。

また同実証実験では、AI顔認識機能(サイバーリンク提供の「FaceMe」)を活用しており、利用客の性別・年齢層や感情を推定したデータ・会話データを、ダッシュボードから確認することができる。これにより、実際の接客コミュニケーションの内容を実データに基づいて振り返り、良かったこと・悪かったことの把握や、コミュニケーションの改善、さらには良かったコミュニケーション術の社内共有などに有効だとしている。