NECは10月7日、AI(人工知能)で予測分析した結果を可視化して次の一手を提示するデータ分析ソフトウェア「dotData」の新サービスである「アクショナブル・インサイト・ビジュアライゼーション」を販売開始した。同サービスは、11月下旬に日本で提供開始となるdotData v2をベースとするもの。

  • アクショナブル・インサイト・ビジュアライゼーション

dotDataは、機械学習の自動化を手がける米dotDataが開発した、AIを用いて予測分析プロセス全体を自動化するというソフトウェア。NECは2018年の同ソフトの提供を開始して以来、企業内に蓄積するビッグデータを活用した課題解決を加速してきたという。

新たに販売開始した同サービスは、熟練した専門の分析者に加えて、現場担当者でも高度な予測分析を可能にする。これまで企業におけるデータ分析は、BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールで過去データを集計・可視化して過去の事実を理解するところから開始し、予測分析は必要に応じて専門の分析者に依頼していた。

  • Tableauダッシュボードの画面

同サービスは、BIツールである「Tableau」との連携を実現したdotData v2の最新機能を利用して、過去データをdotDataで分析し、隠れているインサイトと未来の予測を導き、業務への迅速な適用を促すもの。

これにより、現場担当者は過去の事実に加えて、「何がその事実に深い関係があるのか」というインサイトから、それに基づく未来の予測や「次に何を行うべきか」という示唆までTableauのダッシュボード1つで把握でき、より素早い意思決定につながる。

AIとBIとの連携により、ユーザー企業のシステムにAIを導入した後の運用フェーズにおいても、市場や環境の変化に追随した予測結果を現場で更新できるようになり、柔軟な対応が可能になるとしている。

同サービスは、プロトタイプ開発フェーズと運用フェーズの2つのフェーズから構成され、プロトタイプ開発フェーズは最短3か月で行う。ユーザー企業のビジネス課題の確認、業務プロセスの明確化、データの確認と分析設計を同社のコンサルタントと共に実施し、その後、dotDataを使用した予測分析と、Tableauのダッシュボードの開発を行う。

プロトタイプ開発には同社のノウハウテンプレートを用いることも可能であり、ユーザー企業の負担を少なくして実装できるよう工夫しているとのこと。運用フェーズでは、定期的な予測実行を行う。ユーザー企業は、同社と共同で開発したTableauのダッシュボードに予測結果を取り込むことで、最新の予測結果を適宜業務で利用可能になるとのことだ。