Googleが9月30日 (米国時間)に「Pixel 5」「Pixel 4a5G」「Nest Audio」「Google TV」「Chromecast with Google TV」を発表した。例年通りならMade by Googleの発表イベントを開催していたはずだが、今年は新型コロナ禍の影響のため「Launch Night In」というわずか31分のプレゼンテーション動画での発表になった。

ハードウェア製品の発表でありながらスペックの詳細には触れず、あっさりとした内容だったが、今回発表された新製品はいずれも明確な狙いを持った製品であり、シンプルにそれらの特徴が伝わってきた。本稿では、「Launch Night In」の内容から、スペック表からは読み取れない2020年のMade by Googleの新製品をふり返る。

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スマホの購買欲を刺激する「699ドル」と「499ドル」

「より多くの人に、この新しいモバイル技術 (5G)を体験していただきたい」(Rick Osterloh氏:シニアバイスプレジデント)。

Pixel 5」と「Pixel 4a (5G)」の狙いは、この説明に集約されている。「より多く」を実現する上でポイントになるのが価格だ。米国/日本でのPixelシリーズの価格は以下のようになる。

  • Pixel 5: 699ドルから(※5G対応:日本では税込74,800円)
  • Pixel 4a (5G): 499ドルから(※5G対応:日本では税込60,500円)
  • Pixel 4a: 349ドルから(日本では税込42,900円)

「699ドル」と「499ドル」はスマートフォンの価格として今、消費者の購買意欲を刺激する数字になっている。2013年の初代モデルから、GoogleはPixelシリーズに先進的な機能・性能を組み込み、iPhoneの独走を許していたハイエンド市場の開拓を導いてきた。

しかし、高機能化と先進化を突き進んだスマートフォンのハイエンドモデルは価格が800ドル台以上になり、1,000ドル台もめずらしくなく、一般のスマートフォンユーザーから敬遠され始めている。

いま売れ行きを伸ばしているのが、ハイエンドの機能も利用できるミッドレンジ機種。それが799ドルでは財布のヒモはゆるみにくく、「これが699ドル!」と思わせる製品がよく売れる。だから、Appleも「699ドルから」のiPhone 11に力を注いでいる。

Googleは「コンピューティングの前進」を牽引し、「エコシステムの指針」をパートナーに示し、そして「持続性のあるハードウェア事業を確立」するためにMade by Googleを提供してきた。だが、今のハイエンド端末は「コンピューティングの前進」に偏っており、むしろミッドレンジ上位の方がバランスよく3つの目的を満たせる。

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