パソナ・パナソニックビジネスサービス(以下、PBS)とパナソニックは7月16日、パナソニックのオーディオブランド「テクニクス」の音響システムを採用した、緑と音による空間ソリューションを共同で開発し、PBSが提供する健康経営ソリューション「COMORE BIZ(コモレビズ)」の新たな展開として販売を開始すると発表した。

コモレビズは、職場環境(ワークプレイス)をより人間に最適な自然環境(ライトプレイス)に近づけ、従業員などのストレスを軽減し、心身共に良好な状態に保つ、ウェルビーイングな職場環境の実現を目指すソリューション。

コモレビズでは、ストレス軽減につながる最適な「緑視率(※1)」が10~15%という実証実験結果と独自の植物データベースに基づき、顧客企業のニーズに応じたオフィス空間をデザインし、導入後の効果測定をストレスの数値化により提供している。

PBS代表取締役副社長 岩月隆一氏は「コモレビズにより、新型コロナウイルスの影響で働き方の変更が余儀なくされて疲弊している社員の生産性や、社員と企業のウェルビーイングを今まで以上に向上させ、2030年、その先の未来を見据え、日本の持続可能な社会の実現に貢献していきたい」と述べた。

(※1)建築学会で使われる「緑視率」の定義は、「人の視界に占める緑の割合で、緑の多さを表す指標」とされている。

  • パソナ・パナソニック ビジネスサービス代表取締役副社長 岩月隆一氏

今回発表した同ソリューションは、コモレビズの音響分野においてテクニクスの高音質再生技術、音響解析・チューニング技術を活用したサウンドシステムを採用している。自然界に似た音に包み込まれ、リラックスしながら集中できる職場環境をつくり、聴覚的に働きかけ、社員の生産性向上につなげるとしている。

同ソリューションの一例として両社は、テクニクスのサウンドシステムを格納したボックスの上部に、コモレビズが設定した緑視率(人の視界に占める観葉植物の割合/植物の多さを示す指標)を基に設計された植物を配した、オリジナルビルトインプランターを開発した。

  • オリジナルビルトインプランター

オリジナルビルトインプランターは、内蔵しているスピーカーで、低域から高域まで高音質で再生でき、広い指向性と音響最適チューニング機能により、空間でスピーカーの存在を感じさせないノイズレスデザインを実現している。

また、壁や天井などによる反射や残響、音の広がりや到来方向などを考慮した独自の空間音響設計と配置シミュレーションで、適度な響きと均一音量で聞こえるようになっている。

  • オリジナルビルトインプランターを導入しているオフィスイメージ

さらに、流す自然音を時間帯によって変更することもでき、朝には上方から小鳥のさえずりが、夕方には下方から虫の鳴き声が聞こえる、といったように時間の流れや空間の広がりを感じることができる。

  • ここから流れているらしい……全然わからなかった

パナソニックアプライアンス社副社長 小川理子氏は「私たちは人々の感動や癒しを中心とした音を目指しており、そのための技術やデザインがあると考えている。音と人の関係を大切に思い、音の感動を提供し続け、世の中の発展に貢献していきたい」とコメントした。

  • パナソニックアプライアンス社副社長 小川理子氏

オリジナルビルトインプランターは、普通のテーブルに加え、ハイテーブルやベンチなどさまざまな形状を展開しており、6人掛けテーブルで1台約200万円程度で提供している(レイアウトにより価格変動あり)。また、顧客の要望に合わせてデザインすることも可能だという。

  • オリジナルビルトインプランター。さまざまな種類がある

JX金属など3社ほど、同ソリューションの今後の導入が決まっているといい、PBSは、3年間で累計90社の導入を目指しているとのことだ。