富士通は4月22日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の次世代スーパーコンピュータ(スパコン)システムを受注したことを発表した。

同スパコンは、JAXAの2代目スパコンシステムで2016年4月より運用が開始された「JAXA Supercomputer System Generation 2(JSS2)」の後継システムと位置付けられているもので、大規模な数値シミュレーション向けの計算システムとして、富士通と理化学研究所(理研)が共同開発しているスパコン「富岳」の技術を活用した「PRIMEHPC FX1000」を5760ノードを導入することで、シミュレーションに多用される倍精度での理論演算性能において、現行システムの約5.5倍となる19.4PFlopsを有する見込みだという。

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    今回導入される「PRIMEHPC FX1000」の1ラック(384ノード)のイメージ (出所:富士通Webサイト)

また、大容量メモリやGPUを搭載するなど、さまざまな計算ニーズに対応可能な汎用システム部分として、PCサーバ「FUJITSU Server PRIMERGY」シリーズ合計465ノードもあわせて導入するほか、約10PBの高速アクセス記憶装置を含む合計約50PBの大容量ファイルシステムも導入される予定だという。

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    JAXAの次世代スパコンシステムの主な構成 (出所:富士通Webサイト)

なお富士通では今回構築するスパコンシステムについて、従来の数値シミュレーション分野で航空宇宙研究におけるさらなる国際競争力の強化に貢献するだけでなく、これまで部門ごとに管理・保持していた衛星の観測データなどを集約・分析する大規模データ解析基盤や、共同研究や設備供用におけるAIの計算処理基盤などといったHPC基盤として幅広く活用が進められる予定だとせつめいしている。