ウイングアーク1stは4月15日、異なるシステムやクラウドサービスを連携・接続し、業務を自動化できるコミュニケーションツール「DEJIREN(デジレン)」の販売を同日から開始すると発表した。

「DEJIREN」は、個人が実施する複数のオペレーションが自動化され、企業の業務システムや外部のクラウドサービスをノンプログラミングで連携させることができる。

  • 「DEJIREN(デジレン)」のサービス構成要素

「DEJIREN」はチャットをUIとして、「~がほしい」「~がしたい」という要求をチャットで行うと、「DEJIREN」が要求を解析し、コネクタを介してシステムからその情報を引き出し、結果をチャットに返す。

  • チャット上で「製品」と入力すると「製品別の集計グラフ」を表示」

用途としては、社内手続きやレポート出力などがある。例えば、「引越し」というキーワードをチャットで投げると、「引越し」ための社内手続きの書類が表示。また、あらかじめ営業日報や売上などのレポートをメニュー化しておけば、そのメニューを表示させて、クリックすることで、レポートを表示させることができるという。

  • 「メニュー」と入力すると出力可能なレポートの一覧を表示

  • 社内手続きのための書類の呼び出し(引越)

また、「DEJIREN」からRPAの起動も行えるという。

自動化する業務は、人事や営業など部署ごとにbotを定義でき、そのbotを自分のルームに登録することで、そのbotが利用できるようになる。

  • 人事botや営業分析botなど、用途別にbotを定義し、それを自分のルームに登録することで、利用できるようになる

そのほか、IoTとの連携も可能で、生産設備からエラーが出力されると、担当者に連絡するということも可能だという。

  • IoT連携の例

蓄積・流通するデータを組み合わせることにより、スケジュールの遅延、設備異常、在庫の不足などを「ボット」に通知させる、投入したデータファイルが自動で仕訳され適切なシステムに格納される、または「ボット」に取引先についての問い合わせを行い、複数のシステムにまたがる情報がリアルタイムに組み合わされて通知される、などのアクションも実行できるという。

「DEJIREN」と各システムの連携には、コネクタが必要になるが、初期リリースでは、同社製品のBIダッシュボードのMotionBoard、文書データ活用ソリューションのSPA、メール、ボット、ファイルなどが用意される。

  • 初期リリースのコネクタ

  • MotionBoardとの連携

自動化処理は、コネクタとの通信、フロー制御、データ制御などがプログラミングされた「アクションブロック」を連結していくことで定義でき、ノンプログラミングで連携可能だという。なお、「アクションブロック」はサードパーティからも提供されるようになるという。

  • 「アクションブロック」連結による処理フロー定義

ウイングアーク1st 執行役員 CTO 島澤甲氏は、「いまは情報が連携される時代で、DEJIRENはウィングアークとして次の手を打ちたいと考えて開発した製品だ。今後はデータを企業間でやり取りする環境が求められる。DEJIRENは、そのためのコミュニケーションツールだ」と語った。

  • 発表ウイングアーク1st 執行役員 CTO 島澤甲氏(右)。島澤氏は自宅でプレゼンを行った

同社は、今後さまざまな外部ベンダーのアプリケーションや技術を「DEJIREN」と連携させる予定だという。