東急、東日本旅客鉄道(JR東日本)、ジェイアール東日本企画の3社は17日、昨年から伊豆半島で行っていた観光型MaaS"Izuko"の実証実験の結果を発表した。

観光型MaaS<a href="https://www.izuko.info/" target="_blank">"Izuko"</a>(実証実験は3月10日で終了)

観光型MaaS"Izuko"(実証実験は3月10日で終了)

鉄道やバスはもちろん、AIオンデマンド乗合交通にレンタサイクルから観光施設でのやりとりまで、スマートフォンで検索から予約、決済までをシームレスに繋ぐ観光型MaaS「Izuko」。伊豆で行われた"見せるだけ"の継ぎ目のない体験は多くの人を引き寄せたようだ。

昨年4月1日から6月30日までのフェーズ1(Phase1)と12月1日から2020年3月10日までのフェーズ2(Phase2)に分けて展開された「Izuko」では、交通機関のデジタルフリーパスや観光施設の割引を含むデジタルパスなどを販売。"見せるだけ"で出発地から目的地までの移動手段を含むサービスを継ぎ目無く楽しめるものだ。観光型MaaSの実証実験として多くの企業の協力のもと、伊豆半島で行われている。

フェーズ1で課題を抽出し、アプリから柔軟性のあるWebブラウザへと変更。画面デザインや操作性の改善、エリアやメニュー拡大と改善を重ね利用者の数を伸ばしている。デジタルパス類の販売はトータルで6,166枚(フェーズ1/1,045枚 フェーズ2/5,121枚)。目標の1万枚には届かなかったものの、国内の観光型MaaS事例の中では"圧倒的な利用規模"になるという。

  • 販売数一覧表(同社資料より)

    販売数一覧表(同社資料より)

  • 登録ユーザー情報と各種商品の購買傾向(同社資料より)

    登録ユーザー情報と各種商品の購買傾向(同社資料より)

特にJR伊東線(熱海駅から伊東駅)を含むデジタルフリーパス(鉄道とバスが一定エリアで乗り放題となる)の人気が高いこと、下田市内のAIオンデマンド乗合交通(最適な走行ルートをAIが決定する大きめの乗り合いタクシー)がフェーズ2から有料化したにもかかわらず利用客数を伸ばしたこと、画面デザインや操作の改善がコールセンター(操作方法など)への入電を1/7以下に減らせたことなどいくつかの事例や商品の購買傾向などを紹介している。ユーザーサイドに立った細かな改善が成果に繋がっているようだ。

3社は、2回の実証実験を通じて明らかになった諸課題に向き合い、社会実装に向けたあるべきサービスを目指す。なお、最終的な実証実験は2020年秋以降を予定している。