デロイト トーマツ ベンチャーサポート(DTVS)は12月3日、スタートアップ支援で培ってきたノウハウとデータを活用し、SaaS型のオープンイノベーションプラットフォーム「six brain」を開発したと発表した。今回、第1弾として、プラットフォーム上でスタートアップと大手企業を最短1分間で結びつける協業支援サービスの提供を開始する。

近年、スタートアップと大手企業とのオープンイノベーションが活発に行われており、これを推進するためにアクセラレーションプログラムが積極的に実施されているが、各大手企業がスタートアップに対して新規性の高いアイデアを提案させるため、スタートアップにとって負担の大きいビジネスコンテストなどの批判が高まり、効率的に精度が高いマッチングを実施する場の提供が求められているという。

これまでに同社は、スタートアップと大手企業の事業提携を生み出すことを目的としたピッチイベント「Morning Pitch」を300回以上開催。延べ1500件以上のスタートアップの協業に関する情報を収集しており、スタートアップと大手企業の担当者を最短1分間で結びつけるオープンイノベーションプラットフォーム「six brain」を開発した。

  • six brainのサービス全体像

    six brainのサービス全体像

スタートアップと大手企業は自社の情報を入力するだけで、システムからのリコメンドやオファーを受けることができるという。なお、six brainはデロイトの各国ファームの協力の下、アジアを中心としたグローバル展開を予定し、翻訳機能の実装を進めている。

同プラットフォームの特徴として、最適なスタートアップの情報を受け取れるだけでなく、どのように協業すれば良いか、システムからリコメンドを受けることを可能としている。

これは、AIが大手企業の課題とスタートアップのビジネスモデル・業界/商材の情報などの相関関係を過去の協業データを元に分析することで、140文字程度のシンプルな協業案を自動作成することができるため大手企業は、これまで自社のネットワークではアプローチできなかったスタートアップに対しても、具体的な協業に向けたオファーを送ることができるという。

  • 大手企業に届くスタートアップの紹介画面(開発中の画面イメージ)

    大手企業に届くスタートアップの紹介画面(開発中の画面イメージ)

また、同プラットフォームの「コミュニケーションマネジャー」が、担当者同士の相性や、持っている権限、予算、大手企業における意思決定フローなどのデータを元に、ユーザーが数あるオファーの中から確度の高い案件を絞り込むことができるようにサポートする。

さらに、ダッシュボードを用いて協業案件の進行度合いを可視化できるため、ユーザーは協業に向けた機会や課題を把握するができ、従来はブラックボックス化しがちだったスタートアップと大手企業の協業プロセスのPDCAサイクルを回すことを可能としている。

今後、12月26日からWebサイトから申込み受付を開始、一部の機能から順次サービス提供を開始し、本格展開は2020年5月を予定している。