キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は、11月20日~22日にかけて神奈川県・パシフィコ横浜にて開催されている組込み総合技術展 & IoT総合技術展「ET&IoT Technology 2019」にて、車載セキュリティに向けた開発サービスの紹介などを行っている。
自動車のエレクトロニクス化により、自動運転やコネクテッドカーに注目が集まっているが、その一方でハッキングによる車両事故のリスクなども高まりを見せている。しかし、自動車(OEM)メーカーやティア1メーカーが自動車の外のクラウドや無線通信といった分野に詳しいとは限らない。
キヤノンITSでは、そうしたOEMやティア1の事情を踏まえ、車載セキュリティサービスの提供を推進しているという。例えば要求分析段階における共通脆弱性評価システム(CVSS:Common Vulnerability Scoring System)に基づく脆弱性評価の実施や実装段階などでの静的解析、相乗テストなどの段階におけるファジングによる脆弱性検証などを提供しているという。主に受託開発におけるサービスの一貫としての取り組みとのことで、ファームウェアのアップデートなどを通信で実行するOver The Air(OTA)部分の開発を同社が引き受ける中で、こうしたことも盛り込んでいくとする。また、クラウド側のセキュリティについてもノウハウを有しており、要望に応じて、そちらも対応が可能だという。
すでにこうしたサービスを活用している企業も複数いるとのことで、コネクテッドカーが本格化していく今後、さらなる事業の拡大を図っていきたいとしている。
予兆検知から障害発生時の現場対応まで一貫支援
このほか、同社ブースではイベント・ドリブン型アプリケーション開発プラットフォーム「VANTIQ」の紹介や、PTCのThingWorxの紹介なども行っている。
VANTIQは、リアルタイムでイベントの発生を把握。その際に必要なアクションの実行を促すプッシュ型アーキテクチャ。デモでは統計解析や多変量解析の高度な専門知識がなくても、ビッグデータの可視化や分析を可能とする「BIGDAT@Viewer」と組み合わせ、設備に異常が発生したことを検知、それをスマホに送って、近くに居るエンジニアの派遣要請を実施、派遣されたエンジニアはスマホ上で対処レポートを作成して、それをコントロールルーム側に送ると、ダッシュボード上でレポートの共有ができるといった異常の検出から、障害対応のレポート報告まで、一気通貫で対応できる様子を見ることができる。
また、ThingWorxのデモは、実際に回転しているファンの回転数と、ファンに送られている電圧、モデルデータによる理論的な回転数をARとしてみることができるというもの。同社ではこうしたモデルデータの制作も請け負っているとのことで、産業分野を中心に、現場でのメンテナンス作業の負担軽減などに向けた提案などを行っていくとしていた。