大東建託は6月19日、首都圏の一部エリアを対象に、東京大学空間情報科学研究センター(CSlS)不動産情報科学研究室の清水千弘特任教授と、同社 賃貸未来研究所の宗健氏が共同開発した、Alを用いた家賃査定システムの試験導入を開始した。今後、2020年度の本格導入に向け、対象地域を全国に拡大するとともに、査定精度の向上を図る方針だ。

  • 導入のイメージ

    導入のイメージ

現在、同社の家賃査定は全国約1000人のスタッフによる類似物件の情報収集とデータ解析によって行われているが、新システムを導入することで家賃査定が自動化され、スタッフの業務軽減が図れるほか、顧客や取引先に家賃設定の明確な根拠を示すことができるようになるため、安心・安全・安定した賃貸経営の提供が可能だという。

基本的な処理の枠組みは、同社グループが過去から蓄積してきた賃貸募集広告データなどに重回帰分析を適用した。データの外れ値の除去、モデルの対象とするデータの抽出条件、最寄駅と住所の整合性、適切な説明変数の選択と説明変数の組み合わせによる変数合成、モデルの分割方法、査定対象類似物件抽出ロジックなどに、ノウハウが組み込まれている。

また、複数のエリアで理論モデルのMER(誤差率中央値)5%未満を達成しており、実装モデルでは安定性と同社物件への最適化を目的としたチューニングを加えているほか、最寄り駅が存在しないエリアにも対応するなど、家賃査定エリアの対象を全国として開発されていることが特徴となっている。