Amazon SageMakerで学習コストを3割削減

パイオニア 情報サービス第1技術部1課 主事 山内龍之介氏

パイオニア 情報サービス第1技術部1課 主事 山内龍之介氏からは、同社がカーナビゲーションシステムで提供している「共有サービス」に関して、Amazon SageMakerへ移行した理由、移行の手順が説明された。

共有サービスを開発した当初はAmazon S3に画像データを保存し、Amazon EC2に構築した学習環境でモデル学習を行うといった処理を行っていたそうだ。しかし、この方法では「システム管理という煩雑な業務が発生するほか、インスタンスコストの高さや本番運用の難しさといった課題があった。開発以外にリソースを取られていた」と、山内氏は説明する。

そこで、Amazon EC2をAmazon SageMakerへ変更して、開発者がAI関連の開発に集中できるようにすることで、開発効率を向上させた。あわせて、AIの学習コストも3割以上削減できたそうだ。

なお、Amazon Web Servicesの提供しているサービスは数百に及ぶうえ、定期的に新しいサービスがリリースされる。そのため、Amazon Web Servicesのサービスを使いこなすには、どのようなサービスが存在しているのかを知ることが重要だ。

Amazon Web Servicesの最新情報にキャッチアップするため、三ツ井氏はAWS re:Inventの期間中に発表されるプレスリリースをくまなくチェックしたり、また、山内氏は有名ブロガーの情報を毎日チェックしたりしているという話があった。そのほか、Amazon Web ServicesのUI上に新機能の通知が表示されることも多く、そうした部分から新機能の知識を得ていくこともあるそうだ。

AWSへの移行で好循環のエコシステムを構築

パイオニアでは、ハードウェアリソースの追加やシステムのセットアップといった手間を省き、目的とするシステムの開発だけに集中できることがAmazon Web Servicesの大きな利点となっている。

リソースが足りなくなるたびに物理サーバを追加することは、手間だけでなく、時間の上でも大きな負担がかかる。数分の操作でリソースの拡張やスケールアップが可能なAmazon Web Servicesのサービスは正に求めていたものということだ。

加えて、Amazon Web Servicesの技術がエンジニアや運用者にとって使ってみたいと思わせることも導入のポイントになっている。やる気と楽しさという好循環のエコシステムが構築されて、企業内部に技術も蓄積され、さらにシステム開発にもフィードバックされるというよい流れが生まれているようだ。