IDC Japanは4月25日、国内ハイパーコンバージドインフラストラクチャ利用動向調査結果を発表した。調査では、国内企業/組織におけるITインフラ導入の意思決定やITインフラ導入のプロセスに関与する方を対象としたアンケート調査を2月に実施し、349人から有効回答を得たという。

調査によると、HCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)の利用率は20%を超え、アーリーマジョリティへの普及が進んでおり、HCIの利用意向を有する回答者は65%近くに達し、今後の利用意向も高い状況となっている。

HCIの利用理由は「パフォーマンスの向上」がトップとなり、「ITインフラ運用管理の一元化」「運用管理コストの削減」「IT管理者の生産性向上」という運用管理の効率化に関する項目が続き、HCIの導入理由として運用管理の効率化も引き続き重視されている。

  • HCIの利用理由

    HCIの利用理由

初回導入時期が2017年以降のHCI利用者では、運用管理やデータ保護の効率化、ITベンダー数の削減が重視されており、今後HCIを利用計画中の回答者ではスモールスタートも重視し、小規模な導入から始め、ITリソースの必要に応じて順次拡張するというHCIの導入スタイルは今後も変わらないという。

HCIのベンダー選定基準では、導入コストの低さや実績の豊富さに加え、ITインフラの幅広い分野での製品提供も重視されており、HCIにITインフラの多様な機能が統合されつつあることから、広範囲にわたる統合が実現可能かということも選定基準として重要になっていると想定されている。

HCIの今後の機能強化に期待する内容では、パフォーマンス向上、ハイブリッドクラウドへの対応、PaaS(Platform as a Service)機能の充実への期待が高い結果となった。

同社のエンタープライズインフラストラクチャ シニアマーケットアナリストである宝出幸久氏は「HCIは国内市場で急成長しており、もはやニッチなソリューションとは言えないところまで普及が進んでいる。HCIには、オンプレミスITインフラの刷新を進めると共に、複数のクラウドを連携し、統合的な運用管理を実現するハイブリッドクラウドを実現するソリューションへと進化することへの期待が高い。HCIは、デジタルトランスフォーメーション(DX)に対応したITインフラへの変革を進めるにあたって、有力な選択肢の一つとなるであろう」と分析している。