リコーは3日、同社の全天球画像カメラ「RICOH THETA」と深層学習による画像認識でイベント会場やオフィスの滞留分布計測などができるサービス「RICOH360 - Analysis」の提供を開始した。

サービスは短期間のイベント会場の集客効果など人々の滞留分布を手軽に計測可能なシステムで、同社のスティック型360度カメラ「RICOH THETA」(リコー シータ)を用いた行動分析が可能になる。

RICOH THETAは、2つの広角レンズを用いて上下左右ワンタッチで360度の写真や動画を撮影できる。バージョンにより機能は異なるが、4K映像やライブストリーミング、4方向マイクによる立体音声への対応など握りやすい筐体に設置された大きなボタンを押すだけで、迫力の世界を取り込める製品だ。同製品をビジネスシーンで活躍するサービスとしては「THETA 360.biz」がある。不動産物件や観光地、飲食店やレンタルオフィスなど手軽な360度パノラマを使って、空間の様子をエンドユーザーのWebサイトのコンテンツとして提供している。

今回、同社が提供を開始したサービス「RICOH360 - Analysis」ではRICOH THETAとLTE回線を用いた計測機材をレンタルでき、設置場所を決めコンセントに挿す程度の手軽な操作で画像データをクラウドで分析、ブラウザでのヒートマップビューや測定データを成果物として得られる(顔部分にはクラウド上で自動的にぼかし加工が行われる)。属性分析は行われないが、壁や天井に施工ができないなど設置が難しい空間やイベント会場など外部会場での人の動きや集客状況を把握できるため、手軽な滞留分布計測が行えるようになる。

  • 「RICOH360 – Analysis」の仕組み(同社資料より)

    「RICOH360 – Analysis」の仕組み(同社資料より)

  • 「RICOH360 – Analysis」利用の流れ(同社資料より)

    「RICOH360 – Analysis」利用の流れ(同社資料より)