ヤフーは11月30日、同社のネットオークションマサービス「ヤフオク!」の偽物出品対策を強化し、従来の機械学習に加えて、スーパーコンピュータ(以下、スパコン)を活用したディープラーニングを、11月より導入したことを発表した。

  • 「偽物出品検知AI」により、検知精度が約3.1倍に向上

    「偽物出品検知AI」により、検知精度が約3.1倍に向上

「ヤフオク!」では、偽物出品対策として、機械学習を用いた不正出品検知システムを2005年より導入しているほか、人手による「24時間365日パトロール」の実施や「知的財産権保護プログラム」の運用などを行ってきた。

このたび新たに、膨大な取引データと独自に開発したディープラーニング特化型スパコン「kukai」を活用し、検知精度の大幅な向上が見込めるディープラーニングを用いた「偽物出品検知AI」を開発した。

同AIは、出品完了後数秒以内にその出品物が偽物である確率を判定。偽物である確率が高いと判定した場合、優先的に人手による削除検討に移るため、偽物の削除率が上昇し削除までの時間も短縮されるという。

実際の出品情報50万件を用いて「偽物出品検知AI」による判定を行ったところ、従来の機械学習を用いた不正出品検知システムと比較して、検知精度が約3.1倍に向上したということだ。

なお、これまで活用していた新たな検知モデル構築が、スパコン「kukai」を用いることで処理速度が約70倍になったという。検知モデルの更新頻度を飛躍的に向上できるため、たとえ新たなパターンの偽物出品が発生しても、迅速に対策を進められるとしている。