では、今回の評価キットをご紹介する。プロセッサはCore i9-9900KのES品のみである。本来はこういう12面体のパッケージ(Photo06)で届くらしいのだが、今回は紙箱で届いた(Photo07)。ふたを開けるとこんな5角形のパッケージが入っており(Photo08)、この中にCPUが入っている。CPU表面は定格3.6GHzを示す数値のみ(Photo09)。裏面のチップコンデンサの配置も若干異なっている(Photo10)。CPU-Zでの認識はこんな感じ(Photo11,12)。Windows 10からは問題なく認識できた(Photo13,14)。
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Photo09:Core i7-8700Kと、ヒートスプレッダの形状が異なっている(上下方向の出っ張りがない)のが分かる。TIM変更の影響だろうか?
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Photo10:Core i7-8700Kとけっこう似てはいるが、下側の配置や種類が若干異なっている。
これと組み合わせるマザーボードであるが、今回はASUSより「ROG MAXIMUS XI HERO (WI-FI)」をお借りした。10月9日発売で、店頭予想価格は38,800円とされている製品だ。
パッケージは赤と黒のROGらしいもの(Photo15)。構成はPCIe x16が3本とx1が3本というもの(Photo16)で、裏面はすっきりしている(Photo17)。CPUへの電源供給は10Phase構成(Photo18)。バックパネルは最近の同社らしく一体式に(Photo19)。ストレージはSATA×6のみになった(Photo20)。
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Photo16:M.2スロットはCPU真下のカバー(ヒートスプレッダ兼用)の下と、一番下の横長のカバー(こちらも同様)の2か所に用意される。左上の補助電源ピンが8pin+4pinなのに注意
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Photo17:CPUリテンションの内側にも山のようにチップコンデンサが
ところで今回、Core i7-9700Kは借用ができなかったので、Core i9-9900Kのパラメータを変えて「なんちゃってCore i7-9700K」構成も用意した。具体的には、
・倍率設定をPer Coreにして、1~8coreでの倍率を49/48/47/47/46/46/46/46倍に設定(Photo21)
・ASUS Multicore Enhancementを無効化(Photo22)
・Hyper Threadingを無効化(Photo23)
とした。この状態でのCPU-Zでの表示はこんな感じ(Photo24)である。厳密にいえば、L3キャッシュの容量は本来12MBなのに対して、なんちゃってだと16MBとなるので、まったく同じとは言えないが(若干性能面での改善があると思われる)、あくまで参考ということでご理解いただければと思う。その他のテスト環境は表2に示す通りである。比較対象用のCore i7-8700Kは、(機材到着のタイミングの関係もあって)Z370プラットフォームを利用している。
グラフ中の表記は、
・i7-8700K:Core i7-8700K+ROG STRIX Z370-F Gaming
・i7-9700K:Core i9-9900K(Core i7-9700K相当動作)+ROG MAXIMUS XI HERO (WI-FI)
・i9-9900K:Core i9-9900K+ROG MAXIMUS XI HERO (WI-FI)
となっている。
また今回は、内蔵グラフィックによるテストは行っていない。というのは、Core i7-9700KやCore i9-9900Kを内蔵グラフィックで利用する、というユーザーは非常に稀と思われるためだ。
スペック的にはCore i7-8700Kと同じIntel UHD Graphics 630搭載で、動作周波数も同じくBase 350MHz/Max Turbo 1.2GHzとまったく変わらない。もちろん、動作プロファイルの変更で平均的な動作周波数が多少上がっているかもしれないが、それで描画性能が2倍とか3倍になるとも思えないため(元々の描画性能がかなり低いので、2倍とか3倍にならないと、ゲームではほとんど意味がない)、今回は割愛させていただいた。