続いてそのData Memory。Sequential(グラフ76・77)だと、256KBあたりのLatencyに特に違いはない。なのでもし本当に第9世代で何か改良があったとすれば、それはキャッシュそのものではなく(L2はUnifiedなので、もしキャッシュに手を入れていればData Accessにも反映されるはず)、Fetch側に何か細工を施したのかもしれない。あるいは冒頭で紹介した、脆弱性対策に絡んだ何か、の可能性もあるが、ここではそれ以上の判断はできない。
Sequentialは、グラフ77だとMemory Accessもけっこう遅くなっている感があるが、これはSequential Accessなので、プロセッサ側のLoad Requestの処理が間に合っていない可能性がある。実際、次のIn-Page Random(グラフ78・79)を見ると、L1~Memoryすべてで大差ない結果になっており、多分Memory Accessそのものは同等と思われる。
Full Random(グラフ80・81)も同じで、違いがあるのはグラフ81における1GBの場合のみだが、こちらも32~256MBあたりでは差がないあたり、単にテスト結果が1GBだけブレた可能性も捨てられない。
話を戻すと、Data Memoryの結果を見る限り、Memory Controller周りもほとんど変わらない感じに読み取れる。グラフ75の結果も、これをもってMemory Controllerが高速化されたとはちょっと言いにくい(むしろFetch Unitのほうに何かあったと考えるほうが自然な気がする)。それと、第9世代でRing Stopが増えた影響であるが、この結果を見る限り影響なし、と判断すべきだろうと思われる。