自動車内のキー閉じ込めや水道管からの水漏れといった緊急事態は、時を選ばず突発的に発生する。一刻も早く事態を収拾するには、業者を呼んで対応してもらうことにつきるが、まず頭に思い浮かぶのはネットを検索してすぐに対応してもらえる業者を見つけることだろう。

生活の困りごとに対応するサービス提供業者とエンドユーザーをマッチングさせるプラットフォームサイト「[生活110番](https://www.seikatsu110.jp/)」は、120以上のサービスジャンルで3,000社以上の加盟店と提携する業界大手のWebサイトだ。「生活110番」を運営するシェアリングテクノロジーは、マッチングを成立させるために要していたリードタイムの短縮を目指し、リアルタイムマッチングを実現する新システム「Mover(https://www.youtube.com/watch?v=F-boSTyIg1s&t=2s)」を開発した。テスト運用では、成約率が36.8%から40.3%への向上が確認できたという。

アナログとデジタルを融合させた独自システム

Webサイト「生活110番」を見てサービス提供業者の紹介を申し込んでくるエンドユーザーに、同社の加盟店を紹介して成功報酬型で手数料を得る同社のサービスは、同業他社の追随を許さないサービスだと同社コネクト事業部の池田和巨氏は胸を張る。

シェアリングテクノロジー コネクト事業部 部長 池田和巨氏

「生活の困りごとに対応するサービス提供を掲げるWebサイトは他にも存在しますが、Web完結型のサービスサイトがほとんどです。Web完結は少ない人員で運営できるため、事業者にとってメリットのある運営スタイルなのですが、困りごとにすぐ対応してもらいたいと切迫しているエンドユーザーの要望を満たすことは難しいと考えています。鍵の閉じ込めやガラス破損などに見舞われたエンドユーザーは、1分1秒でも早く対応してもらいたい。そこで当社は、24時間365日対応するオペレーターを備えて対応しています」(池田氏)

Web完結で申し込んだ場合、後にサービス提供業者である加盟店からエンドユーザーに電話連絡しても、登録していない電話番号からの着信は拒否されるなど、つながる確率は低いという。これに対して電話による受付にこだわった同社では、オペレーターが「加盟店から連絡が入りますので、ご登録されていない電話番号からかかってきても応答してください」と伝えているという。

エンドユーザーのニーズをとらえた「生活110番」は、2018年1月~2018年6月のセッション数が前年の同期間と比べて10倍に急増するなど、確実なサービス成長をみせている。これを支えているのは、同社が独自に開発したマッチングシステムだ。エンドユーザーから入電を受けたオペレーターは、希望するサービス内容や住所など必要事項を聞き出してシステムに入力する。このデータを基に、エンドユーザーの住居地域に近い加盟店をリストアップするのだが、単純な地域性のマッチングにとどまらない。

「加盟店ごとに過去の成約実績を数値化するなど独自アルゴリズムによる優先順位を付けてオペレーターのディスプレイに表示させています。このアルゴリズムを地道に鍛え上げていったことが、サービス成長につながっていると自負しています」(池田氏)

さらにWebプロモーションや口コミの効果で、「生活110番」は検索エンジンで常に上位に表示されるようになり、今では問い合わせするエンドユーザーの多くは「生活110番」がファーストコンタクト。つまり、第一交渉権は常に同社が握っているという非常に優位な状況を生み出すことに成功した。