大日本印刷と同社のグループ会社で企業の総合的なマーケティング施策等を行うDNPコミュニケーションデザイン(以下、DNP)は、オンラインの閲覧行動や購買履歴などから、生活者一人ひとりに最適なタイミングで最適なコンテンツを印刷して届けるパーソナライズド・コミュニケーションサービスを開始したことを発表した。

  • DNPのパーソナライズド・コミュニケーションサービス

    DNPのパーソナライズド・コミュニケーションサービス

同サービスは、デジタルとアナログのマーケティング施策を最適に融合し、デジタルマーケティングと連携した施策の策定から、個々の顧客に最適な印刷データの生成、印刷、加工、発送、効果計測までシームレスに提供するもの。例えば、生活者がある商品を購入した際、その商品を活かすコーディネートプランを提案するパーソナライズド・カタログやDMを送付し、その効果を分析するというものだ。

これまでDMやカタログなどの印刷物をパーソナライズ化するには、コンテンツや顧客情報を個別にレイアウトする必要があった。DNPは、印刷物のレイアウトに必要なデザインテンプレートと商品データ等を事前登録し、ECサイトやマーケティングオートメーション(MA)ツール等と連繋し、個々の顧客に最適化した印刷データを自動生成するプラットフォームを開発した。

これにより、施策の企画から実行までの時間を大幅に短縮できるほか、印刷データの生成から発送までを一貫して行うため、顧客の行動を起点としたタイムリーな情報を提供できる。さらに、顧客ごとにユニークなQRコードを記載して、WebコンテンツやECサイトなどに誘導し、その人が実際に購買したかなどを計測して、次の施策の検討に結びつけることも可能だとしている。

今後、DNPは、デジタルとアナログを融合したマーケティング施策を支援するサービスをさらに充実させ、企業と生活者とのコミュニケーションデザインからコンサルティング、各種デジタルマーケティングツールとの連携、運用・実施・効果測定までを一貫して提供し、企業と生活者のエンゲージメント強化に貢献し、2020年にはプリント領域で85億円の売上を見込んでいるという。

なお、同サービスは、ディノス・セシールのパーソナライズド・カタログ「Like it!」に採用され、同社の顧客生涯価値(Life Time Value:LTV)の最大化の支援を行ったということだ。