消費電力(グラフ101~106)

SandraのDhrystone/Whetstone(グラフ101)をみると、やはりCore i7-7700Kが一番省電力で、逆に一番突出しているのがCore i9-7900Xであるが、ことWhetstoneではNUMAモードのThreadRipperがむしろ消費電力があがっているのが面白い。

FireStrike(グラフ102)に関してはおおむね想定通りで、UMA/NUMAの差も少ない。TMPGEnc Mastering Works 6(グラフ103)では、エンコード性能がそのまま消費電力に直結している。ただUMA/NUMAに関しては、ThreadRipper 1920Xはあまり違いが無いが、ThreadRipper 1950XではNUMAの方がやや消費電力が増えがちである。

DxO(グラフ104)は、同時2枚処理での結果なこともあり、変動が激しすぎる。8枚処理で測定すれば良かったと思ったが、後の祭りである。

グラフ105はこの4つのグラフ+待機時消費電力をまとめたものであるが、ThreadRipperではNUMAモードにするとなぜか待機時消費電力が20W弱増える。ただピーク時の消費電力はUMAの場合と大差ない事を考えると、ひょっとするとWindows側の管理の関係かもしれない。それはともかく傾向は前回と殆ど変わらない。

グラフ106では実効消費電力差を示す。

これを基にちょっと消費電力効率を求めてみると

Dhrystone 性能(GIPS) 消費電力(W) 効率(GIPS/W)
i7-7700K 201.9 70.3 2.87
i9-9700X 460.86 195.6 2.36
R7 1800X 300.65 106.7 2.82
TR 1920X 442.32 170.2 2.60
TR 1920N 447.18 145.9 3.06
TR 1950X 543.75 165.4 3.29
TR 1950N 560.11 143.8 3.90
Whetstone 性能(GIPS) 消費電力(W) 効率(GIPS/W)
i7-7700K 119.64 55.3 2.16
i9-9700X 271.46 164.7 1.65
R7 1800X 195.00 101.5 1.92
TR 1920X 292.47 159.2 1.84
TR 1920N 291.57 124.6 2.34
TR 1950X 350.63 168.0 2.09
TR 1950N 377.91 167.5 2.26
製品名 エンコード速度(fps) 実効消費電力差(W) 消費電力効率(mfps/W)
i7-7700K 3.55 83.9 42.31
i9-9700X 6.59 194.1 33.95
R7 1800X 4.15 111.3 37.29
TR 1920X 5.82 171.8 33.88
TR 1920N 5.40 141.8 38.08
TR 1950X 6.84 177.5 38.54
TR 1950N 5.98 163.2 36.64

といったあたりになる。いきなりCore i7-7700Kが非常に高い効率を示していてちょっと困ってしまうのだが、それでもThreadRipperは(TMPGEncを除くと)Core i7-7700Kを凌ぐ効率を出しており、Core i9-7900Xよりはずっと効率が良い。

TMPGEncについても、エンコードを2本同時に行ったら、もう少し効率が上がりそうな気がする。またDhrystoneとかWhetstoneではNUMAにすることでグンと効率が上がっているのも見逃せない。もちろんアプリケーション次第ではあると思うのだが。