DxO OpticsPro 11(グラフ7~10)

DxO Labs
http://www.dxo.com/jp/photography/dxo-optics-pro/dxo-optics-pro-win-confirmation-jp

さて、前回のレビューから評価が思いっきり変わったのがこちらである。結果から言えば、Core i9-7900Xすらぶっちぎって最高速を叩き出している。

何を変更したかというと、同時処理枚数である。標準では同時に2枚の処理をする様になっているが(Photo19)、これを2枚のまま(グラフ7)と4枚(グラフ8)、8枚(グラフ9)という3つのケースを今回は試してみた。

Photo19:最大同時処理枚数は論理CPUコアの数となる

グラフ7は前回の結果ほぼそのままで、ThreadRipperでも4000万画素のa7RIIだと1枚あたり8秒前後、分あたり7.5枚程度だから、分あたり9枚処理可能なCore i9-7900Xにはちょっとおよばない。理由は簡単で、前回も書いた通りCPUが遊びまくっているからだ。

続いて同時4枚と? ということでグラフ8だと、E-M5だと毎分15枚程度、α7IIでも毎分12枚近くまで高速化された。もうこの時点でThreadRipper 1950XはCore i9-7900Xを超える性能を発揮しており、なかなか有望である。

同時8枚のグラフ9だと、遂にThreadRipper 1950Xではa7RIIでも処理時間が1枚あたり5秒を切っており、圧倒的な性能となっている。分あたり処理枚数は12枚を超えており、これならば数百枚のRAWデータでもかなりストレス無く処理できる。

グラフ10は視点を変えて、a7RIIのDxO標準プリセットでの結果を2枚/4枚/8枚で比較したものである。ほとんどのケースでは4枚同時処理で頭打ちになっており、8枚にしても性能がほとんど改善しない中、流石16コアのThreadRipper 1950Xは処理にかかる時間が明確に短くなっており、これはなかなか評価できる。

またUMA/NUMAだが、2枚同時処理だと大差ないのが、4枚以上になると違いが出てくる。特にThreadRipper 1950XではNUMAの場合にあまり性能が改善しない事が分かる。少なくともDxO Optics Proを使う限りはUMAモードで使うのが賢明そうだ。

余談であるが、林佑樹先生のリクエストにより、a7RIIをDxO標準プロファイルで現像するが、ただしノイズ除去をデフォルトの「高画質(高速)」ではなく、「PRIME」を指定した場合のベンチマークも行ってみた。

このケースではPRIMEの手間のかかるノイズリダクションが入る関係で処理時間がぐっと増えるが、これをThreadRipper 1950X(UMA)モードで実施したところ、66枚の処理に975秒要した。つまり1枚あたり14.8秒で、毎分4枚ちょい処理できる計算になる。

もちろん処理中にTask Managerを見るとCPU負荷は100%に張り付いた状態であった(Photo20)が、このスピードで処理できるデスクトッププラットフォームはそうそうない(先日Core i9-7920Xの店頭発売が開始されたが、果たしてこの性能が出せるかどうか……)。そんな訳で多少チューニングは必要だが、それさえすれば高い性能が得られることが分かった。

Photo20:時々、処理済画像の書き出しとか新しい画像のロードで負荷が一瞬だけ下がるが、ごくまれである