2020年度からの新小学校学習指導要領におけるプログラミング教育必修化を控え、インターネットインフラサービスを提供するさくらインターネットは、北海道の石狩市教育委員会と協力し、石狩市内全小学校での「プログラミング教育出前授業」の実施を発表した。

文部科学省は、小学校段階におけるプログラミング教育のあり方についての議論のまとめを昨年6月に公表しているが、何よりも"プログラミング的思考"を育むことが重要であることも掲載している。その思考を、変遷する時代の情報技術に活用して、問題を発見・解決するという能力は、コーディングするためだけのものでは無いという視点だ。

非営利団体「KidsVenture」公式Webサイト

さくらインターネットは、社会人や学生を対象とした勉強会の開催も多く、電子工作とプログラミング教室を主催する非営利団体「KidsVenture」の設立も行っている。KidsVentureは、"電子工作やプログラミングを通じてつくる楽しさを学び挑戦意欲溢れる次世代の創出"を公式サイトに掲げている。好奇心が何よりも持続的な学習に役立つことを示唆している。

1996年18歳当時、秋葉原のとあるPCショップの店頭にあった"インターネット体験コーナー"から遠く離れた母校舞鶴高専に設置していた自身のWebサーバにアクセスできた強烈な感動が創業のきっかけであったという同社代表取締役社長、田中邦裕氏は「近い将来、誰もがITを使い、ITを作る世界がやってきます。それらを担う技術者の育成と、中でもセキュリティなどの高度IT人材の発掘が社会全体の課題となっています。しかし、小学校におけるプログラミング教育は、職業訓練のような実践的なものではなく、子供たちがITに興味を持ち、親しんでいく第一歩であると考えます。将来抵抗なくITが使えるようになるだけでなく、運動や音楽が得意な子がいきいきと才能を伸ばしていくように、子どもたちが楽しみながらプログラミングに触れる中で、才能ある子供を発掘し、輝ける場を作ってあげられるよう、支援してまいります。」と述べている。

「プログラミング教育出前授業」は、22日の石狩市八幡小学校での授業を皮切りに、石狩市内全小学校での順次実施を予定している。