MONO MO-01J 12月上旬発売

MONO MO-01J

今回なによりも大きな隠し玉だったのがこの「MONO」だ。性能的には2年以上前のスマートフォンといった感じで、通信速度も下り最大150Mbps、ワンセグ・フルセグやおサイフケータイ、赤外線もなしと思い切った構成だが(防水防塵には対応する:IPX57)、一方で購入サポートを適用しての税込648円という価格は魅力的だ。縛りも2年ではなく1年で済む。

総務省のガイドラインにより、実質0円になるような大幅な端末の値引き(購入サポート)はできなくなったが、このガイドラインには「3万円以下程度の端末には過度にならない程度に購入補助を付けていい」という抜け道があり、これをうまく利用した感がある。当然、赤字になるような価格設定はできないのだが、ここまでスペックを絞り込んであれば、中国のODMメーカーであればこの価格で作れてしまうのだろう(実際、MONOは中国のZTE製だ)。

2016年度のグッドデザイン賞を受賞済み。シンプルでビジネスシーンでもプライベートにもマッチするデザインだ

総務省に対するあてつけとも受け取れるこの端末、MVNOや低価格スマートフォンを販売するメーカーにとっても大きな脅威だ。

ドコモ回線を契約している人、特にMONOがターゲットとしているであろう、ガラケーユーザーは保守的で、MVNOなどに変更する意識は非常に低いという。ならばドコモとしては、端末での儲けはほとんど度外視して低価格でガラケーユーザーを巻き取りにかかり、月々の回線使用料で長期にわたって回収したほうがいい、という腹積もりだろう。

実際に触ってみたが、ハイエンドな3Dゲームなどは厳しいだろうが、反応速度などを含めてLINEなどを使うだけなら全く問題はなさそうだ。auやソフトバンク、また各MVNOなどがどのような対抗策を打ち出してくるのか、市場がMONOを受け入れるのか、大いに注目したい。