テックビューロは2月12日、シンガポールにて設立されたFinTech企業であるDragonfly Fintech(ドラゴンフライフィンテック)と、ドラゴンフライフィンテックが有するブロックチェーンベースの決済プラットフォーム「Automated Clearing and E-Settlement(ACES)」を日本市場に提供するための合弁事業設立に関して、基本合意書を締結したと発表した。

ACESはブロックチェーン技術を用いた決済ソリューション。同プラットフォームは特許申請済みの手法により、デジタルマネーと法定通貨の為替交換を活用して電子決済処理の手順を効率化するという。この手法により、以下のようなメリットがもたらされるという。

  • コスト、時間、リソースの大幅な削減
  • コンプライアンスにおける煩雑さの軽減
  • 銀行における、決済およびクリアリングハウス処理の内部完結と、即時決済によるカウンターパーティーリスクの軽減
  • リアルタイム総取引による即時流動性の実現
  • 物理的な主体のないバーチャルなインターネットモバイルバンキングの実現

ACESは旧来の一般的な決済手法とは異なり、ブロックチェーンを活用することによって中継銀行を不要とする決済ソリューションだという。ブロックチェーン技術によってメッセージング手順が不要となり、安全に支払決済をマッチングすることを可能としている。規制改正を待たずに、送金の決済時に効率の高い経路を自動的にたどることによって送金効率を大幅に向上させるとしている。

従来の決済手順とACESとの比較

本合弁事業によって、両社は日本市場においてACESとテックビューロの「mijin」を併用した包括的なソリューションを提供することが可能となった。ACESは、2016年第3四半期にサービスの提供開始を予定している。