ファンによる冷却でCPUクロックは1.83GHzまで上昇

続いて、スペック面を改めて確認しておこう。MS-PS01Fは従来の機種同様、CPUに"BayTrail Refresh"ことAtom Z3735Fを採用している。安価なモバイル向けCPUという印象の強いAtomだが、こちらのモデルは4コアを内蔵しており、これまでのイメージとは裏腹に、思いのほか高い処理能力を備えている。その消費電力の低さを活かし、最近ではタブレットPCにもよく搭載されているようだ。インテルの公称動作クロックは1.33GHz(ターボ・ブースト機能利用時最大1.83GHz)。とはいえ、標準状態のMS-NH1では熱暴走の危険を考えたためか、1.33GHzまでしか上昇しなかった。それに対してMS-PS01Fでは、CPU温度に余裕がある限り、スペック上の最高クロックである1.83GHzまでしっかりと上昇する。500MHzものクロック上昇がどのような影響を及ぼすのか、ベンチマークが楽しみだ。

MS-PS01FでCPU-Zを実行した様子。動作クロックは1.83GHzまで上昇した

MS-NH1でCPU-Zを実行した様子。動作クロックの上昇は1.33GHzまでだ

メモリは従来通りDDR3L-1333で動作しており、容量2GBを実装。OSは32ビット版のWindows 8.1 with Bingだ。通信デバイスとしてIEEE802.11 b/g/n対応無線LANとBluetooth V4.0を内蔵しているため、初期設定さえ行ってしまえば、無線LANとBlueToothマウス&キーボードを利用して、ケーブルレスで運用できる。なお、USBコネクタは1基のみとなっているので、USB端子を個別に占有する一般的なマウスやキーボードは同時に利用できない。また、そもそもPC本体がUSB端子からの電源供給で動いているため、電力消費の大きなUSBデバイスは直挿しでの利用が難しい。タッチパッドを搭載したキーボードを利用する、バスパワータイプのUSBハブを用意するなど、制限を克服する工夫を考えたい。

バスパワータイプのUSBハブを利用すれば、USBコネクタの数や電力制限を気にせずに機器を接続できる

ストレージは32GBのeMMCとなり、実際に利用できるのは25GBほど。うち初期状態で使用されているのは2.5GB程度となる。容量的には心もとないため、映像・音声などの大きなファイルは、MicroSDスロットを利用して本体のeMMC以外に保存するようにしよう。なおこちらのeMMCはフラッシュメディアであるため、SSDほどではないもののHDDに比べると高速なアクセスが期待できる。Windows 8.1利用時にきびきびと動作する印象を受けるのは、このeMMCの影響も大きいと思われる。

ストレージが初期状態で使用されている容量は2.48GB。21.8GBの空き容量がある

CrystalDiskMark4.0.3による、MS-PS01F搭載eMMCの計測結果

CrystalDiskMark4.0.3による、MS-NH1搭載eMMCの計測結果