新ハードは期待できない?
Apple TV新版の登場の可能性は低いと述べたが、同様に他のハードウェアについても厳しいと筆者はみている。多くが予想しているように、iPhone系のハードウェアの登場サイクルである秋シーズンまでは時間があるし、例年に比べてiPhoneの新ハード製造にまつわる噂が少ないことからみても、このタイミングでの登場はないだろう。
同様にiPadも新ハードウェア登場までのサイクルを考えると間隔が短いし、噂の12インチサイズのiPadについても、このタイミングではないだろう。Apple製品ではないものの、むしろHomeKit対応デバイスくらいしかハードウェアとしては紹介されないのではないかと考える。
Mac製品について
問題となるのはMac製品のほうだ。iMacとMacBook Pro 15インチモデルはつい先日サイレントアップデートがかかったばかりであり、MacBook AirやPro 13インチモデルについても前回のアップデートから半年未満なので可能性としては低い。Mac Proもアップデートがかかる可能性はあるものの、このタイミングで大々的に発表されるようなものではないだろう。
おそらくは、iMac、MacBook Pro、MacBook Airの3製品ともに、今年後半のSkylakeことIntelの第6世代Coreプロセッサ登場を待ってから、順次更新がかかると考えている。Skylakeはすでに今年6月初旬のComputex Taipeiで搭載製品が紹介されており(公にはアピールしていない)、おそらくは今年8月中旬に開催が見込まれるIntel Developer Forum (IDF)で正式発表になるのではないかと考えている。(Windows PCの)搭載製品が発表されるのは9月初旬にドイツのベルリンで開催されるIFAのタイミングで、実際の出荷は9月後半~11月くらいにかけてになると予想する。
そうなると、例年9月上旬に行われているAppleのスペシャルイベントの目玉はiPhone新製品であると同時に、このMac新製品群となるかもしれない。
新型MacBookではUSB-Cと呼ばれるUSBの新しいコネクタ規格「Type-C」を1ポートのみ搭載して、他のI/Oをすべて取り払った斬新なシステムデザインが話題となったが、これは今年後半の登場が見込まれるiMacやMacBook Pro製品にも波及するとみられる。
具体的には、USBポートの一部がType-C対応となり、従来のType-A型と2種類のポートを用意する形になる。IntelはComputexで「Thunderbolt 3」というI/Oの新規格を発表したが、これは形状がType-C互換であり、おそらくは従来のThunderboltポート(DisplayPort)がType-Cにそのまま置き換わるのではないかと考える。
Intelは今年末までにThunderbolt 3をサポートする「Alpine Ridge」というチップを出荷する計画だが、iMacとMacBook Proの2製品ではこれを採用し、従来のThunderboltを置き換えるのではないかという推測だ。
ただ、Alpine Ridgeを含むThunderbolt 3そのものは高価かつ、高速伝送のために消費電力が高くなる傾向があるため、MacBookやAirのような製品では採用されず、おそらくはMacBookがそうしたようにUSB-C (USB 3.1 Type-C)のみのサポートにとどまるのではないだろうか。