新サービス「Apple Music」とApple TV新版の動向は?

サービス面では、噂のサブスクリプションによる定額ストリーミング音楽配信サービスが話の中心になるとみられるFTによれば、同サービスは「Apple Music」と呼ばれ、Beats Musicのサービスやユーザーを取り込む形で、順次、Apple Musicへと移行していくとみられる。

以前のレポートにもあるように、著名DJとの契約で、ジャンルごとの音楽プレイリストが流れるラジオ局のようなサービスも想定されており、このあたりがBeats買収による音楽業界との関係深化の成果だといわれている。

また、音楽サービス拡大にあたり、iOS向けアプリやiTunes以外の展開も検討しており、その顕著なものがAndroid向けMusicアプリだとされる。この噂は昨年から何度か流れてきており、音楽サービスの正式サービスインによってようやく形を結びつつあるのかもしれない。

ストリーミング音楽配信サービスに近い位置付けだが、「Apple TVの新版」と、これをベースに提供される「TV配信サービス」にも注目が集まることになる

現在、噂として出ているのは、AppleがメジャーなTVネットワーク各社と契約して、フルの番組プログラムではない"スリム化"したTVプログラムをサブスクリプション契約ユーザーへと提供していくという。HBOに代表されるプレミアムチャネルやオンデマンド配信に傾注しつつあるオンラインでのTV配信サービスだが、このAppleのサービスはむしろ手軽さをセールスポイントに利用者拡大を狙う施策だと考えられる。

ただし、Apple TVの新版そのものはハードウェア紹介も含めWWDCでは登場しないとみられ、それに付随する新サービスもこのタイミングでは発表されない可能性が高い。

一方で、Apple TV新版がTVプログラム配信など視聴コンテンツ以外、例えば「ゲーム」「ユーティリティ」といったアプリ要素の強い特徴を備える場合、この部分をサードパーティに早めに開放しつつ、正式ローンチまでにアプリやサービス環境を拡充しなければならない。もしApple TV新版が発表されないとしたら、従来製品にあったような「製品を発表してSDKを配布、3カ月~半年後に正式ローンチ」といった手順を踏みにくい。可能性としては、Apple TVのサードパーティ開放はごく一部のベータ開発者への限定公開とし、秋ごろが予想される正式発表を経て順次拡大していくのではないかと予想する。