Watch OSはソフトウェア改良が鍵を握る

Appleは5月後半に初となるWatch OSのアップデート「Watch OS 1.0.1」をリリースしたが、基本的にはバグ修正と"ちょっとした"機能改良が主軸であり、製品の正式発売後に行われる定例アップデートの一環だろう。むしろ重要なのは次のメジャーアップデートと"ステップアップ"にある。

Watch OSで行われたのはマイナーアップデート

9 to 5 Macによれば、米Appleのオペレーション担当SVPのJeff Williams氏がCode Conferenceでのインタビューで「Native SDK」の提供をほのめかしており、おそらくはこれが次の大きなステップになると考えられる。

現在、サードパーティ製のWatchアプリは実行制限が厳しく、実質的にAppleが標準で提供しているようなWatch OS向けアプリのような機能やパフォーマンスは実現できていないという。これがNative SDKの提供により、開発者らはWatch OS上で直に動作する「ネイティブアプリ」の開発が可能になり、より実装可能な機能やサービスのバリエーションが増加するとみられる。

おそらくはバッテリ消費とのトレードオフとなるが、このあたりのコントロールはApple側の腕の見せ所で、WWDC基調講演や個別セッションにおけるWatch OSの扱いの大きなポイントになるだろう。

Watch OS自体の機能強化も目玉であり、ある意味でマイナーアップデート感のある他の2つのプラットフォームよりも、Watch OSのほうが主役だといえるのかもしれない。Apple Watchはブランド製を前面に出した腕時計という位置付けから考えても、iOSデバイスやMacほどのユーザーによる頻繁な買い換えサイクルは望みにくい(iPhoneには特に2年縛り期間での更新という傾向がある)。ゆえにハードウェアの劇的な世代交代も望みにくく、それだけにソフトウェア面での強化がより重視されるといえるだろう。