米NVIDIAは17日(現地時間)、米国・サンノゼで開催されているGPU Technology Conference 2015(GTC 2015)において、デスクトップ向けGPUのフラグシップモデル「GeForce GTX TITAN X」を正式に発表した。

GeForce GTX TITAN Xそのもののは、2015年3月4日に行われたGame Developers Conference 2015(GDC 2015)の基調講演の中で、ゲストとして招かれたNVIDIAのJen-Hsun Huang CEOが発表していたが、この時は性能の一端をうかがわせた程度で、GTC 2015が公式発表の場ということになる。

早速だが、GeForce GTX TITAN Xについて、概略と簡単な製品説明、そしてベンチマークテストによるパフォーマンス評価をメインに紹介したい(Photo01)。

NVIDIA GeForce GTX GTX TITAN X

CUDAコア3,072基のGM200コアを搭載

GeForce GTX TITAN Xには、第2世代Maxwellアーキテクチャをベースとした「GM200」というコアを搭載する。CUDA Coreは3,072基になり、これに192基のテクスチャユニットが組み合わされる。コア内部には3MBの共有L2キャッシュと96基のROPも搭載される(Photo02)。

Photo02:GM200のブロック図。CUDAクラスタが6つに増えているのがわかる

メモリは384bitのGDDR5 7GHzで、帯域は336.5GB/secに及ぶ。搭載メモリ量は12GBとなっている。ざっくり言えば、GeForce GTX 970/980に利用されたGM204をそのまま1.5倍の規模に拡大した構成、というあたりであろうか。

このほかのスペックはこちら(Photo03)。同社としてはGeForce GTX TITAN Xを4K解像度でのゲームプレイ、あるいは次世代のDirectX 12対応ゲームに最適としており、RADEON R9 290Xとの比較(Photo04)や、SLI構成での性能の伸び方(Photo05)をアピールする。

Photo03:Reference Boardのスペック一覧。TDPは250Wに抑えられている

Photo04:4K解像度におけるR9 290Xとの比較では、GeForce GTX TITAN Xの方がおおむね30~50%高速としている

Photo05:SLIにすることで50~80%更に高速になるという話である。まぁ4KならSLIのオーバーヘッドはあまり考えなくて良いから、このくらい伸びるのは不思議ではない

さすがに今回GeForce GTX TITAN Xは1枚しか借用できなかったので、SLI環境の評価は不可能だが、単体カードとしての性能評価は後ほど詳しく見てみたいと思う。

さて実際のカードを見てみよう。従来のTITAN系との大きな相違は外見の色で、従来のシルバーから黒ベースに切り替わった(Photo06)。裏面はGeForce GTX系列でおなじみのものであるが、GeForce GTX 980にあった背面カバーは廃されている(Photo07)。

Photo06:表面はつや消しで、梨地肌となっている

Photo07:384bit幅でしかも12GBということで、裏面にもGDDR5チップが配されているのが分かる

ただ違うのは主に色だけであって、カバーの構造などは従来のKepler世代以降のGeForce GTXシリーズを踏襲したものである(Photo08,09)。バックパネルは5画面出力で、このあたりの処理はGeForce GTX 980と全く同じであった(Photo10)。

Photo08:ちなみにカード単体の重量は924g(実測値)だった

Photo09:補助電源コネクタは6pin+8pin構成。TDP 250Wだから当然か

Photo10:DisplayPortは3つあるのだが、なぜかうち2つは電源投入時に画面出力されなかった。何かしら設定があるのではないかと思うが、今回のテスト中には解決しなかった

ちなみにNVIDIAからは分解写真(Photo11~13)も提供されており、基本的な構造はGeForce GTX TITANのころから変わっていないようだ。

Photo11:そもそも部品配置が全く変わらない。ヒートシンクも同形状に見える

Photo12:基板の上に被さるカバーの形状は若干違うが、その程度の差といえる

Photo13:基板配置。そもそもTDPがGeForce GTX TITANあたりから全然変わらないためか、電源周りもほとんど同じに見える(ただ、若干パーツ変更などはあるようだが)

実際にあけてみても殆ど違いは見られなかった(Photo14)。GM200はごらんの通りかなり大きい(実測値で640平方mm)ダイで、ついに600平方mmを超えたかという感じ(Photo15)。搭載されているGDDR5はHynixのH5GQ4H24MFR4H24MFR&posMap=graphicsGDDR5)だった(Photo16)。

Photo14:しいて言えばヒートシンクの色が若干黒っぽくなってる気がする。ヒートシンクの単体重量は251gで、GeForce GTX TITANに使われていたものよりやや軽い

Photo15:ダイサイズはデジタルノギスでの実測値で25.3mm×25.3mm。パッケージサイズは、同じく実測値で46mm×46mmとなっている。ちなみにGPU-Zのデータベースでは601平方mmとなっている

Photo16:HynixのGDDR5の最高速品。メモリ容量は4Gbitなので、これを24個で12GBという構成である

さすがに広く評価版が出回っているのか、すでにGPU-Zのデータベースに登録され、正しく認識されていた(Photo17)。

Photo17:Clockなどの数字はPhoto03の表と一致しているのが分かる