キャリアよりも低料金で利用できることで昨年注目を集めた"格安スマホ"。昨年は様々なサービスが登場するとともに、国内で購入できるSIMフリー端末のラインナップも拡充した。2015年も引き続き、スマートフォン業界の話題の中心になりそうな格安スマホだが、今後はキャリアのスマートフォンにも見劣りしない洗練された端末を、いかにお得なプランで提供できるかが、差別化の鍵になってくるだろう。

そんな中、インターネットプロバイダ大手のSo-netは、SIMフリースマートフォンとSIMカードをセットにした同社の「スマホセット」プランにおいて、月額2,480円と月額4,980円の2つのプランを提供している。月額2,480円の「スマホセット2480」は、端末代込みで月々の料金が2千円台という安さが魅力。一方、月額4,980円の「スマホセット4980」は、ハイスペックなスマートフォンをデータ通信量の月間総量制限がないプランで提供するのが特徴だ。

So-netが提供する2つの格安スマホ。どちらのプランがおすすめか?

本稿では、So-netのスマホセットの両プランを詳しく紹介するとともに、それぞれがどんな人にとっておすすめできるプランなのかを考えていきたい。

So-netの「スマホセット」とは?

So-netが提供する「スマホセット」は、同社のMVNO方式のSIMサービス「So-net モバイル LTE」のスマートフォンセットプラン。同サービスは、NTTドコモのLTE「Xi」に対応し、下り最大150Mbps/上り最大50Mbpsの通信が可能。FOMA(3G)にも対応しているため、全国の幅広いエリアで利用できる。

それでは、さっそくSo-netのスマホセットプランについて紹介していこう。

「スマホセット2480」は、月額2,480円のスマートフォンセットプラン。同プランで提供されるスマートフォンは、1月15日より5型Androidスマートフォンの「Ascend G620S」(Huawei製)に刷新された。同端末は、低価格帯ながら十分なスペックを備え、初心者ユーザーにも最適なSIMフリースマートフォンだ。

スマホセット2480で提供される5型Androidスマートフォンの「Ascend G620S」(Huawei製)

同プランの月額料金は、データ定額に音声通話付き、端末代込み(24回払い)で2,480円。通話料は従量制で、通話するごとに20円/30秒がかかる。また、高速通信を利用できるデータ通信量は月間1.5GBで、超過すると通信速度制限が行われるが、データ通信量をチャージすることも可能。

料金プランの内訳は、音声通話付きSIMカードの月額料金が1,890円、Ascend G620Sの端末代が24回割賦払いで月額1,241円。ただし、端末購入によるキャンペーン適用で月額651円が24カ月間割引され、合計月額料金は2,480円となる。Ascend G620Sの端末代の実質負担は月額590円と割安だ。

一方、「スマホセット4980」は、月額4,980円のスマートフォンセットプラン。提供されるSIMフリースマートフォンは、6型Androidスマートフォンの「Ascend Mate7」(Huawei製)で、8コアプロセッサや指紋認証機能を搭載するなどハイスペックな端末となっている。

スマホセット4980で提供されるハイスペックな6型Androidスマートフォン「Ascend G620S」(Huawei製)

同プランの月額料金は、データ定額に音声通話付き、端末代込み(36回払い)で4,980円。通話料は従量制で、通話するごとに20円/30秒がかかる。

データ通信の仕様については、一般的なSIMサービスの場合、月間2GBや4GBといったデータ通信量の月間総量制限が設けられているが、同プランでは月間の総量制限がないのが特徴となっている。加えて、「一定量以上のデータ通信を利用した場合の通信速度制限」についても注目したい。

スマホセット4980では、通信速度制限を行うのは「当日ご利用のデータ通信量が360MBに達した場合 (速度制限は当日の23時59分まで)」となっている。これは、「3日間で360MB以上の場合は」といった設定の格安SIMサービスが多い中、ユーザーにとって大きなメリットとなる。単純計算すれば、月間約11GBの高速通信が利用できるということになるのだ。たとえデータ通信を使い過ぎたとしても、通信速度が制限されるのは当日だけなので、他サービスのように月末までの数日間にわたって不便な思いをすることがないのは、同サービスならでは特徴と言えるだろう。

料金プランの内訳は、音声通話付きSIMカードの月額料金が4,180円、Ascend Mate7の端末代が36回割賦払いで月額1,611円。ただし、端末購入によるキャンペーン適用で月額811円が36カ月間割引され、合計月額料金は4,980円となる。ハイスペック端末のAscend Mate7が月額800円の実質負担で購入できる計算だ。さらに、10,000円のキャッシュバックキャンペーンも利用できる。

So-netのスマホセットをキャリアプランと比較してみた

両プランの料金の詳細を表にまとめるとともに、キャリアのスマートフォンの月額料金との比較として、ドコモの新料金プラン「カケホーダイ」での概算も行ってみた。

「スマホセット2480」「スマホセット4980」の料金詳細と、キャリアとの比較 ※拡大画像はこちら

スマホセット2480をカケホーダイの最低料金となる月間2GBのプランと比較すると、端末代の割賦払い額が同程度だと想定した場合でも、ドコモの合計月額料金は7,000円以上となる。加えて、スマホセット4980を月間8GBのプランと比較すると、ドコモの合計月額料金は10,000円を超える。このように国内音声通話が定額とは言え、キャリアのスマートフォン料金は、かなり割高といってよいかもしれない。

スマホセットのSIMフリー端末をチェックしてみた

ここからは、So-netのスマホセット2480、スマホセット4980の両プランで提供されるそれぞれのSIMフリースマートフォンについて、写真をまじえながら詳しくチェックしていきたい。

まず、スマホセット2480で提供される「Ascend G620S」から。同端末は、5インチディスプレイ(1,280×720ピクセル)を搭載したSIMフリーのAndroidスマートフォン。下り最大150Mbps/上り最大50MbpsのLTE通信に対応し、HD解像度のIPSディスプレイやクアッドコアプロセッサ「Snapdragon410」を搭載するなど、低価格帯ながら十分なスペックを備えているのが特徴だ。OSには、Android 4.4(KitKat)を採用している。

5インチの低価格なSIMフリースマホ「Ascend G620S」

背面には800万画素カメラを搭載している

カメラ機能は、背面に800万画素のメインカメラ、前面に200万画素のインカメラを搭載。ボリュームキーのダブルクリックすることで、約1.4秒でカメラを起動して撮影できる「ウルトラスナップショット」などの機能も備えている。サイズ/重量は、幅約72.1mm×高さ約142.9mm×厚さ約8.5mm/約160g。

SIMカードは背面のカバーを取り外して装着する

5インチクラスのスマートフォンで気になるのが、端末が持ちやすいかどうかだが、Ascend G620Sは実際に手にしてみると、かなり持ちやすい印象だ。端末の側面から背面にかけて丸みを帯びたラウンドフォルムになっているほか、背面にはレザーテクスチャーが施され、持ちやすく滑りにくいデザインに仕上がっている。男性の大きな手であれば、片手持ちでの操作にも問題はなさそうだ。

Ascend G620Sの標準のホーム画面

大きなアイコンで初心者にも使いやすいシンプルなホーム画面も選択可能

また、Huawei独自のEmotion UIでは、大きなアイコンサイズでわかりやすいシンプルなホーム画面を選択することもでき、スマートフォン初心者でも安心して利用することが可能だ。月額2,480円という料金プランとあわせて、これからスマートフォンを使い始める人にとっては最適なエントリー端末だと言える。

続いて、スマホセット4980のAscend Mate7。同端末は、6インチの大型ディスプレイ(1,920×1,080ピクセル)を搭載したSIMフリーのAndroidスマートフォン。CPUには、8コア(オクタコア)プロセッサ「Kirin 925」を搭載し、ストレスを感じさせることなくサクサクと動作するのが特徴だ。OSには、Android 4.4(KitKat)を採用している。

また、カメラ機能も高性能となっており、背面には1,300万画素のメインカメラ、前面には500万画素のインカメラを採用。さらに、4,100mAhの大容量バッテリーを搭載し、通常使用で2日間以上の連続使用が可能だ。サイズ/重量は、幅約81mm×高さ約157mm×厚さ約7.9mm/約185g。

ハイスペックなSIMフリースマホ「Ascend Mate7」の前面

背面には1,300万画素カメラと指紋認識センサーを搭載

側面上部のSIMトレイを引き出してSIMカードをセットする

Ascend Mate7を手に持って、まず感じるのは6インチという画面の大きさだ。大画面化はスマートフォンのトレンドのひとつだが、画面が大きく見やすい端末を持ちたい人にとっても、Ascend Mate7は十分満足できる大きさだと言える。一方、デザイン面では、画面左右のベゼルが約2.9mmという狭額縁デザインになっていて、厚さも約7.9mmと薄いため、大画面ながら程よく持ちやすい端末に仕上がっている。

Ascend Mate7のホーム画面。Huawei独自の「Emotion UI」を採用している

指紋認識センサーのワンタッチで画面ロックの解除などを行える

また、Ascend Mate7を使って、とくに便利に感じたのが背面に搭載された指紋認識センサーを利用する指紋認証機能だ。最大5つの指紋を登録でき、画面ロックの解除やロックしているアプリの起動などを、指紋認識センサーをワンタッチするだけで行うことができる。

「YouTube」や「ニコニコ動画」などネット動画も、大画面ならではの迫力で快適に視聴できるため、データ通信量の月額総量制限がないプランとあわせて、スマートフォンを存分に活用したい人にとっても、Ascend Mate7はおすすめできる端末だ。

初心者にも安心な「スマホセット2480」、ギークも納得の「スマホセット4980」

So-netが提供する2つのスマホセットプランについて詳しく紹介してきた。スマホセット2480は、音声通話付き、端末代込みで月額2,480円で利用できる点が特徴であり、データ通信をあまり利用しない人や、これからスマートフォンを始めようと考えている人におすすめのプランと言える。

一方、スマホセット4980は、ハイスペックなAscend Mate7をデータ通信の月間総量制限なく利用できるのが魅力だ。また、速度制限の仕様が「1日で360MBに達した場合」に設定されている点もポイントだ。キャリアのスマートフォン料金が高いと感じながらも、端末には妥協したくない人、格安スマホで毎月の料金を下げたいが、データ通信は存分に楽しみたいという人にとって同プランは最適と言える。

とりわけ、キャリアのスマートフォンに毎月8,000円近い料金を支払っている人や、高額な料金を敬遠してスマートフォンを諦めていた人は、ぜひ一度、So-netのSIMサービスをチェックしてみてはいかがだろうか。